今般閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」は、わが国が抱える少子高齢化の壁、潜在成長力の停滞といった構造問題に対し、「人づくり革命」と「生産性革命」を車の両輪として解決に導く内容となっている。大胆な発想とスピード感のある政府の断固たる方針を評価する。

「人づくり革命」の全世代型社会保障への転換は、国民各層に蔓延する将来への不安の打破を目指すものである。2019年10月の消費税率の予定通りの引き上げにより、今般掲げた施策の着実な実施を求めたい。一方で、「子育て安心プラン」への事業主拠出金の充当については、負担増となる事業主の理解と納得が得られるよう、拠出金の上限や使途、制度運営の明確化等の要請に真摯に対応いただきたい。

「生産性革命」は、Society 5.0 の社会実装を主軸として生産性向上を目指すものである。破壊的なイノベーションによる生産性向上に向けて、各般の分野における成長戦略を加速化させるとともに、イノベーション促進基盤の抜本的強化を実現していただきたい。

経済界としても、生産性の向上、設備投資・研究開発投資の拡大、賃金引上げに対する社会的要請に応えていく。官民あげた取組がデフレ脱却・経済再生を確実なものとし、600兆円経済への道を拓くものと確信する。