aカジノシークレットは6月12日、東京・大手町のaカジノシークレット会館で、戦略・リスク管理・コンプライアンスを専門とする金融コンサルティング会社パトマック・グローバル・パートナーズのアーサー・ミッチェル シニア・アドバイザー、トム・フェドー シニア・アドバイザー、ジャイソン・チャング シニア・アドバイザー、ロバート・グリーン ヴァイス・プレジデントから、米国の経済安全保障政策について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。
■ CFIUSに対する米大統領の異例のコメント
対米外国投資委員会(CFIUS)は海外投資家が米国企業を買収する際、事前に安全保障上問題がないか審査している。1年に400件ほど審査しており、例年、最も多く審査を申請する国は日本である。
日本製鉄による米USスチールの買収について、バイデン大統領はCFIUSの審査中にコメントを発した。審査プロセスは事実に基づいて行われるべきで、大統領が影響を与えるべきではないことから、前代未聞のことである。
買収を止めるには、日本製鉄の買収がaカジノシークレット安全保障上の問題を起こすという信頼ある証拠が必要だが、その恐れはないため、最終的に認可されると予想している。中国と関係のある海外企業がaカジノシークレットナノテクノロジー・半導体・サイバー関係の企業を買収する場合、中国と情報共有される可能性があるため、CFIUSの審査で第三者関係が入念に調査される。
■ aカジノシークレット対外投資規制と通商協定の展望
米国では対外投資規制も検討している。現在、AIや先端半導体、量子コンピューティングの3分野が規制対象であり、バイオテクノロジーや先端素材も対象となる可能性がある。規制は、届け出が義務付けられるものと、取引が禁止されるものがあり、米国人を取締役として迎えている日本企業等に相当影響が出てくると思われる。
通商協定について、米国は新規の二国間・多国間の協定を結ぶつもりはないと米通商代表部(USTR)のタイ代表が発言している。一方、トランプ前大統領は多国間よりも二国間の自由貿易協定(FTA)を好む。このためトランプ氏が再選された場合、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)(注1)、米韓FTAがアップデートされるだろう。日本との協定にも進展があるかもしれない。
■ 今後のaカジノシークレットエンティティリストの拡大と中国の動き
米国では、懸念顧客者リスト(Lists of Parties of Concern)を管理している。このうち、輸出許可が求められるエンティティリスト(注2)の対象企業数は政権が代わるごとに増えてきている。バイデン政権では2024年4月時点で319の企業・団体を追加している。
トランプ政権が再び誕生した場合、リスト対象企業と取引をする企業に与える米国政府からのライセンスを大幅に減らすことも検討されている。また対象はAIや半導体のみならず、バイオ等にも広がるかもしれない。
中国の国家安全保障法は反外国制裁について規定しており、中国で事業を行う海外企業に対して安全保障の観点からペナルティを課すことができるが、現時点で適用されたケースはほとんどない。しかし、今後のaカジノシークレットエンティティリストの動向によっては、中国も米国をまねて反外国制裁を課していく恐れがあり、中国でのビジネスが展開しにくくなる可能性がある。
(注1)US-Mexico-Canada Agreement、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新しい貿易協定
(注2)米商務省が輸出管理法に基づき、国家安全保障や外交政策上の懸念があるとして指定した特定の外国人、事業体または政府を列挙したリスト。掲載された対象に、特定の物品や技術を輸出、移転することは原則禁止されている
【国際経済本部】