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2023年3月20
一般社団法人 日本経済団体連合会

【欧米の金融不安】

日米欧加の政府・中央銀行が警戒感を持って連携し矢継ぎ早に対応策を展開しているので、危機は連鎖せず、実体経済への影響はあまりないだろう。

他方、米国では超過需要が強い状況が続いているため、FRBはインフレ抑制の動きを当面止めるわけにはいかないと考えられる。今回のような潜在的な危険性を表面化させないよう、中央銀行間の協力・連携が引き続き必要である。

【こども・子育て対策】

〔岸田総理が表明(3/17)した、こども・子育て政策の基本的考え方について問われ、〕少子化は静かなる有事である。出生数の急減や人口減少への強い危機感と、課題解決への使命感、こども・子育て政策の強化への並々ならぬ思いを岸田総理が抱いておられることを改めて感じた。今般表明された3つの基本理念(①若い世代の所得を増やす、②社会全体の構造や意識を変える、③全ての子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援する)はいずれも重要である。

〔男性育児休業取得率を2025年度に50%、30年度に85%とする目標について問われ、〕現状の男性育児休業取得率=14%は低い。企業は政府目標を早期達成する勢いで取り組む必要がある。特に、男女がイコールパートナーとなるため、アンコンシャスバイアスの解消が不可欠である。経営トップも折に触れ、意識改革や男性の育児・家事の重要性を呼びかけるべきである。

【2023年春季労使交渉】

〔連合の「2023春闘 第1回回答集計結果」について問われ、〕非常に力強いスタートとなる数値であり、勇気づけられた。経団連は、今年を賃金と物価の好循環に向けた起点の年と位置付けており、構造的な賃金引き上げが実現するよう来年以降も引き続き取り組んでいく。

【最低賃金】

〔岸田総理が、最低賃金の全国加重平均を2023年に1000円に引き上げる目標を示したことについて問われ、〕雇用者の4割近くを占める有期雇用等労働者の処遇改善は急務であり、その方策の一つが最低賃金の引き上げと認識している。岸田総理もおっしゃっていたように、公労使三者の最低賃金審議会において、最低賃金決定の3要素(労働者の生計費、労働者の賃金、通常の事業の賃金支払能力)を総合的に踏まえた真摯な議論が求められる。

【日韓関係】

先の日韓首脳会談(3/16)において、両国関係を前進させることで一致した。日韓経済界も「日韓・韓日未来パートナーシップ基金」の創設に合意し、未来志向で何ができるのかを研究し、共同事業を進めていく。こうした取り組みを一つひとつ実施し、日韓のより良い関係を築いていきたい。

【LGBTQ】

経団連は、多様性こそ社会活性化の源であるとの基本認識から、「企業行動憲章」において「すべての人々の人権を尊重する経営を行う」(第4条)、「多様性、人格、個性を尊重する働き方を実現する」(第6条)と謳っている。先日の訪米の折、政府要人から日本の政策について問われ、日本では、LGBTQへの理解を増進する法案がこれから国会で議論されようとしていることを説明した。各国でLGBTQへの差別禁止や同性婚の法制化が進むなか、そのような応答をするのが恥ずかしいくらいであった。今般、超党派で取りまとめられたLGBT理解増進法案が速やかに成立することを期待したい。

以上

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