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2022年10月3
一般社団法人 日本経済団体連合会

【日銀短観(2022年9月調査)】

〔製造業で業況感悪化が続いている背景について問われ、〕金融引き締めで欧米の景気が減速しつつあることを、輸出企業が少し悲観的に見ているという面もあるかもしれない。他方、非製造業での業況感の改善は、コロナ禍に沈静化の兆しが見られる中、日本国内のサービス消費が増えるとともにインバウンドへの期待も高まってきていることを反映したものであろう。

【為替】

為替は、経済のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要であり、急激な変動は望ましくない。

現下の円安は、日本と欧米の金利差拡大を背景にした投機的動きに起因している。当面、日本が金融緩和を続け、欧米が政策金利を上げて物価対策を優先する中で、円安基調がしばらく続くだろう。

足下のマーケット動向に目を向けつつ、中長期的な観点で、エネルギーや食料の自給率を上昇させ、為替変動に左右されにくいレジリエントな日本経済を構築する必要がある。

【総合経済対策(仮称)】

〔政府が月内に策定するとされる経済対策について問われ、〕新しい資本主義の路線を維持するとともに、喫緊の課題である物価高・円安への対策も盛り込まれる見込みであり、評価している。

【防衛費財源】

〔防衛費の財源として法人増税が検討されているとの報道について問われ、〕防衛は、国、国民の生命・財産を守る要事であり、国民全員で考え、対処するものだ。従って、防衛費についても、国民全体で広く薄く負担することが自然である。受益と負担をはじめ、様々な論点についてよく議論することが肝要である。社会の一員たる企業も当然、それに背を向けるものではない。法人税だけが先行して議論されることではないと認識している。

【岸田政権発足一年の評価・「政治との連携強化に関する見解」ならびに「主要政党の政策評価2022」】

われわれは今、コロナ禍やロシアのウクライナ侵略による物価高、為替変動といった厳しい状況下にある。そうした中、「新しい資本主義」という理念の下、グリーントランスフォーメーション(GX)・デジタルトランスフォーメーション(DX)や科学技術・イノベーション、スタートアップ、人への投資で経済成長を遂げ、その果実を分配するという「成長と分配の好循環」の実現に向け、一つひとつ力強く政策を進めている。GXに関しては、再生可能エネルギーの主力電源化の促進に加え、原子力発電所の再稼働、次世代革新炉の開発・建設の検討が進んでいる。分配面では、全世代型社会保障の構築に向けて議論がなされており、評価したい。

〔経団連の「政策評価」と政治寄附の関係について問われ、〕民主政治を適切に維持していくためには相応のコストが不可欠であり、社会の構成員たる企業がそれを負担するのは責務である。「政策評価」は、経団連会員企業・団体が自主的な判断に基づき政治寄附をするための指針となるものである。

【2030年冬季オリンピック・パラリンピック】

コロナ禍でいまだ人の往来に困難が伴う状況が続いている。世界中のアスリートが一堂に会して競い合うオリンピック・パラリンピックは、人々を鼓舞するとともに人と人との交わりや友情の大切さを改めて思い出させる非常に意義のあるイベントである。加えて、2030年はSDGs達成の目標年に当たる。SDGsを強力に推進してきた日本がオリンピック・パラリンピックを開催し、バリアフリーの推進などサステイナブルな社会の実現に貢献することは極めて有意義である。

以上

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