2017年12月22日
一般社団法人 日本経済団体連合会
一般社団法人 日本経済団体連合会
経済・財政再生計画のもとで、集中改革期間の最終年度となる政府予算は、3年連続で歳出改革の目安を達成し、国債依存度の低下が図られたことは評価できる。また、成長戦略の核、生産性革命の主軸となるSociety 5.0の社会実装に向けた科学技術関係予算の増額が平成29年度補正予算も含めて確保されたことを歓迎したい。
しかしながら、景気拡大に伴う税収増の見込み額に比べてプライマリーバランスの改善幅は小幅にとどまっている。財政健全化に向けたさらなる歳出改革の取組みを求めたい。
とりわけ、社会保障給付の見直しに関して、自然増を抑制したとは言え、その大宗が薬価改定により賄われる結果となっている。来年度から子ども子育て事業主負担が増額される一方で、診療報酬本体の引き下げ、介護報酬の全般的な適正化、児童手当特例給付の廃止などの痛みを伴う改革への対応についてはもう一歩踏み込んでいただきたかった。
今後は社会保障制度の持続可能性や財政健全化に向け、聖域を設けることなく、制度改革を確実に実現していくことが不可欠である。特に、「全世代型社会保障制度の構築」の観点からは、高齢者の負担のあり方について、より踏み込んだ見直しに早急に着手すべきである。
これらの点を踏まえ、政府においては財政規律を堅持する観点から、プライマリーバランス黒字化目標の達成時期を含む、財政健全化計画の見直しを行うべきである。
以上