経団連は10月18日、初等中等教育に関する懇談会をオンラインで開催した。初等中等教育改革をテーマに、文化庁の合田哲雄次長(兵庫教育大学客員教授)、神奈川県鎌倉市教育委員会の高橋洋平教育長から、それぞれ説明を聴くとともに懇談した。説明の概要は次のとおり。
■ カジノシークレット 仮想通貨 入金出金(合田氏)
小中学校のクラスには不登校の子どもや学習面等で困難を抱える子ども、家で日本語を話す頻度が少ない子ども等、さまざまな特性を持つ子どもがいるなか、教員はこれまで平均的な子どもに合わせて指導しなければならなかった。GIGAスクール構想による児童生徒1人1台端末環境が実現している今こそ、学校は一律一斉の授業スタイルから抜け出し、一人ひとりの関心・能力等に応じた個別最適な学びの場へと転換していくことが求められる。その際、児童生徒は学校にとどまらず、大学、NPO、企業等が提供する学びの場も活用しながら学習を進めていくことも大切である。実際、全国各地で同時多発的に多様な学びの実践が進められている。
また、網羅主義の教育モデルからの脱却を図る必要がある。次回の学習指導要領改訂では、各単元の本質的なポイントを整理したシンプルで理解しやすいものに改めることで、子どもたちの学びの裁量の幅を拡大していくことが欠かせない。
加えて、少子化の影響で学校単位の自前主義が限界に来ていることから、教育プログラム本位の枠組みに変えて、初等中等教育でも学校間連携による合同授業等を展開していく必要がある。
持続可能な社会を次代に引き継ぐうえで、子どもたちの学びの転換は大人社会の責任である。
■ 鎌倉市における多様な学びへのチャレンジ(高橋氏)
多様な学びに向けた鎌倉市の取り組みを三つ紹介する。
(1)鎌倉スクールコラボファンド
学校は魅力的な人材・組織との連携を通じて、子どもたちの未来を見据えた創造的で興味を引かれるような学びを提供したいと考えているものの、柔軟な財源の確保が課題となっている。そこで鎌倉市教育委員会は「鎌倉スクールコラボファンド」を組成し、ふるさと納税の仕組みを活用したクラウドファンディングを通じて、個人や企業から寄付を募っている。その独自財源を基に、学校が企業・大学等と連携して探究型学習等の魅力的な教育活動を実践している。
(2)GIGAスクールによる学習者中心の学び
鎌倉市は、「学習者中心」「子どもが学習の主役」という視点での教育活動を目指している。GIGAスクール構想による1人1台端末環境は、子どもたちが主体的に学んでいくことや、個別最適で協働的な学びとの相性が良い。教員は教えるプロから子どもの学びをデザインするプロへと変わることが求められている。
(3)不登校施策における学びの多様化
鎌倉市も全国の自治体と同様に不登校数が増加している。子どもの学びの個性や特性が、学校における一斉授業や集団活動とマッチしない場合に、子どもは学校に行くことがつらいと感じる。そこで、一人ひとりの学びの特性に応じた学びの場を提供している。具体的には、「かまくらULTLAプログラム」を実施し、主に不登校の子どもたちが、土日に鎌倉の海や森、寺等で体験しながら学んでいる。2025年4月には学びの多様化学校(不登校特例校)(注)として「由比ガ浜中学校」を開校する。子どもたちが自分のペースで教科の枠を超えてさまざまな人々と関わりながら、鎌倉全体で体験的・探究的に学ぶこと等をコンセプトとしている。
(注)不登校児童生徒等の実態に配慮した特別の教育課程を編成することができる学校
【教育・自然保護本部】