本稿では、カジノシークレット いんすたんと キャッシュバック大統領選挙と同日に実施予定の州民投票が大統領選挙に及ぼす影響について考えてみたい。州民投票自体は40以上の州で計160近くが予定されているが、本稿では、10州で実施予定の人工妊娠中絶を州憲法の保障する権利に含めるための州憲法修正提案に焦点を合わせる。

この州民投票は、カジノシークレット いんすたんと キャッシュバックと同日に実施される。そのため、カジノシークレット いんすたんと キャッシュバックにどのような影響を与え得るのかについて米国のメディアでも関心を集めている。例えば、民主党系の団体がカジノシークレット いんすたんと キャッシュバックを有利に進めるための戦略だとする指摘や、中絶容認派の投票率上昇に影響を与える可能性があるとする指摘などがある。

24年11月のカジノシークレット いんすたんと キャッシュバックは、22年米国連邦最高裁ドブス事件判決後の最初のカジノシークレット いんすたんと キャッシュバックとなる。この判決は、合衆国憲法が中絶の権利を保障していないとして1973年連邦最高裁ロー対ウェイド事件判決等を覆し、中絶規制の裁量は州に委ねられると判示した。

このため、州を舞台として中絶規制の是非がそれまで以上に熱心に争われるようになった。カジノシークレット いんすたんと キャッシュバック9月時点で25州が、ロー対ウェイド事件判決後から、ドブス事件判決前までは認められていた妊娠期間の中絶を禁じている（うち14州が妊娠後全ての期間の中絶禁止）。

また、ドブス事件判決は、皮肉ながら民主党を利することとなった。中絶の権利を支持する人々が、中絶の権利の大幅な後退という苦境故にむしろ政治活動を活発化させ、結果として中絶の権利を支持する民主党へと票が集まるようになったからである。ドブス事件判決後の22年中間選挙では、経済状況が悪化していたにもかかわらず、中絶の権利を支持する有権者の投票率が上昇した結果、民主党が善戦したことを多くのメディアや研究者が指摘している。

24年カジノシークレット いんすたんと キャッシュバックにおいても引き続き中絶は重要な争点となっている。世論調査分析機関ピューリサーチセンターによると、投票先を決めるうえで中絶が非常に重要な問題だと回答した有権者は20年8月には40％（ドナルド・トランプ前大統領支持者は46％、ジョー・バイデン大統領支持者は35％）であったのに対して、24年9月には51％（トランプ氏支持者は35％、カマラ・ハリス副大統領支持者は67％）にまで上昇している。

したがって、カジノシークレット いんすたんと キャッシュバックと同時に10州で予定されている州憲法修正提案が、カジノシークレット いんすたんと キャッシュバックに、より具体的にはハリス氏に有利に働くことが推察される。

10州の内訳はアリゾナ州、コロラド州、フロリダ州、メリーランド州、ミズーリ州、モンタナ州、ネブラスカ州、ニューヨーク州、ネバダ州、サウスダコタ州である。このうちアリゾナ、フロリダ、ミズーリ、ネブラスカ、サウスダコタは前述した中絶禁止25州に含まれているため、州民投票が可決されると現状からの大きな変化となる。州民投票が予定されている10州のうちアリゾナ（選挙人11人）とネバダ（同6人）はカジノシークレット いんすたんと キャッシュバックでの接戦州とされる。なお、すでに22年、23年にカリフォルニア州、ミシガン州、バーモント州、オハイオ州の4州では同様の州民投票を可決している。

2人の大統領候補もこうした州民投票の重要性を自覚している。ハリス氏は、州民投票への賛成を表明し、また中絶についての選挙広告を流すなどしている。トランプ氏は、居住州であるフロリダで州民投票が予定されているにもかかわらず、しばらくは立場表明を避け、中絶規制については各州に委ねるべきだと述べるにとどめていた。ところが、同州の中絶規制が厳しいと発言したことで、中絶反対派からの強烈な反発を受けた。彼は一夜にして態度を翻し、州民投票では反対票を投じることを明言した。

過去の例も参考になるかもしれない。今から20年前の04年カジノシークレット いんすたんと キャッシュバックでは、再選を目指すジョージ・W・ブッシュ大統領陣営の選挙対策責任者であったカール・ローブ元大統領上級顧問が、有権者の同性婚に対する悪感情をあおる戦略を採用した。それが、主要な接戦州にて、カジノシークレット いんすたんと キャッシュバックと同日に同性婚を禁ずる州憲法修正提案のための州民投票をかけることであった。州民投票は11州で提案され、可決した。ブッシュ氏は、接戦州でもあり州民投票が提案されてもいたアーカンソー州やオハイオを僅差で制するなどし、再選を果たした。

当時のブッシュ氏陣営の戦略担当の一人は、この戦略によって新たな有権者の確保と浮動票の取り込みに成功し、選挙戦での僅差での勝利につながったと評価している。そして、24年カジノシークレット いんすたんと キャッシュバックでは反対に民主党が同様の戦略を採用し、成功を収めるかもしれないとも指摘している。

ただし、当時のブッシュ氏の勝利の重要な要因として、有権者の「道徳的価値観」や州民投票の活用がしばしば指摘されている一方で、こうした見解に否定的な研究成果も多いことには十分な注意が必要である。

本稿は、中絶を州憲法の保障する権利に含めるための州憲法修正提案が、24年カジノシークレット いんすたんと キャッシュバックにどのような影響を与えるのか、という観点からのみ論じてきた。しかしながら、10州での住民投票結果それ自体も、米国での女性の中絶の権利の現状を大きく変更し得るものであり、また今後の米国の政治争点としての中絶の行く末を大きく左右し得るものでもあることから、極めて重要なものである。この点も含め、引き続き州民投票に注目していきたい。

【21世紀政策研究所】

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