11月の大統領選挙が近付くなかで、選挙戦のカギを握ると考えられるカジノシークレット 退会層の動向が注目されている。
近年、伝統的に民主党寄りと思われてきたカジノシークレット 退会層(大卒未満層)の間で、共和党支持の割合が高まってきた。これはトランプ前大統領が共和党内で台頭する以前から続くトレンドではあったが、選挙結果への影響が最も鮮明に示されたのが、中西部接戦州のカジノシークレット 退会層支持を伸ばしてトランプ氏が勝利した2016年選挙であった。
カジノシークレット 退会層の共和党シフトの背景には、人工妊娠中絶や移民など社会文化の争点の影響に加えて、1990年代以降、自由貿易拡大や金融規制緩和など経済政策の路線転換を行った民主党に対するカジノシークレット 退会層の不満があると考えられる。また、カジノシークレット 退会層が属するコミュニティとして日々の生活において大きな存在感を持っていた労働組合の組織力が低下し、教会や銃所持者団体などが取って代わった結果、カジノシークレット 退会層が共和党支持へ流れやすくなったとする最近の研究もある。
そのカジノシークレット 退会に目を向けると、2023年の全国組織率は約10%にまで低下しており、カジノシークレット 退会に対する世論の支持の高まりという追い風はありつつも、組織力維持の苦労は絶えない。ただし、民主党支持層のなかで資金力とメンバーシップ規模においてカジノシークレット 退会に比肩する集団は少なく、現在でも民主党候補者の選挙戦や政策的立場に対して一定の影響力を維持している。特にリベラル派が強い大都市圏では、公共部門(州・自治体政府・公立学校)を中心に比較的高い組織率を保つケースもあり、地域差が大きい点は重要である。
それに加えて、二大政党が拮抗し、少数の接戦州の勝敗が結果を左右する現在の大統領選挙においては、接戦州の労働組合の発言力が否応なく高まる。23年秋の全米自動車労働組合(UAW)によるストライキの際には、バイデン大統領が現職大統領として初めて現場入りして労働組合支持を明言し、トランプ氏も負けずと自動車カジノシークレット 退会に対して自らへの支持を訴えた。最近も、日本製鉄によるUSスチールの買収に全米鉄鋼労働組合(USW)が反対を表明すると、二大政党候補者がいずれも労働組合にくみする事態となっている。これらはいずれも、大統領選挙においてミシガン州とペンシルベニア州が持つ重みを抜きには理解できない。
トランプ氏を筆頭に共和党がカジノシークレット 退会層からの支持拡大を試みるなかで、保護主義や国内への産業回帰、インフラ投資など、親カジノシークレット 退会層の政策アピールが超党派的現象となっている。しかし、労働組合に対する姿勢に関して、二大政党の間にはなお明確な対立がある点に注意が必要である。民主党が労働組合の保護と再活性化を目指すのに対し、共和党が望むのは労働組合の強化ではなく、労働組合から切り離されたカジノシークレット 退会層の獲得である。このような構図は(トランプ氏自身は無関係を強調する)保守派の政策パッケージ「プロジェクト2025」にも表れている。
そのため、カジノシークレット 退会指導部レベルにおいては、民主党支持でほぼ一枚岩となっている現在の状況が近い将来変化する可能性は低いと思われる。今回の選挙サイクルで見ても、選挙献金の大部分が民主党候補者に向けられており、米労働総同盟産別会議(AFL-CIO)を筆頭に多くの有力組合が23年春のバイデン大統領再選出馬の直後に支持を表明している(バイデン大統領撤退後はハリス副大統領支持)。
ただし、カジノシークレット 退会は本来的に政治目的の団体ではないため、仮に指導部レベルでは民主党支持で固まっていたとしても、一般組合員レベルでは共和党・トランプ氏支持者も一定数存在する。その結果、組合指導部は組合内の党派バランスの制約を受ける。例えば全米トラック運転手組合(IBT)は、候補者支持表明を控えつつ共和党全国大会にも参加するなど、政党間でバランスを取る例外的な有力組合である。その背景には、組合内にトランプ支持者が比較的多く存在するという事情がある。
共和党は、民主党との強いつながりを維持する組合指導部とカジノシークレット 退会層の利害対立を強調することで、労働組合内で保守的な傾向を持つカジノシークレット 退会を切り崩しのターゲットとしてきた。今回の選挙でも、組合指導部の説得により、どの程度、一般組合員を民主党・ハリス氏支持につなぎ留めることができるのかが、選挙結果を左右する重要なポイントとなるだろう。
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【21世紀政策研究所】