日本経済全体を浮揚させ、国際競争力を取り戻すためには、スタートアップの裾野を広げると同時に、日本が強みを有するコンテンツ産業等も活かし、新たな価値を創造するエコシステムを実現することが必要である。新たな経済活動のフロンティアとしてweb3に対する注目が高まるなか、わが国が新しい技術の社会実装に向けて国際競争を主導することが求められる。
カジノシークレット 入金は6月10日、東京・大手町のカジノシークレット 入金会館でデジタルトランスフォーメーション(DX)会議(十倉雅和議長)を開催した。千葉工業大学変革センターの伊藤穰一所長から、web3がもたらす社会変革について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。
■ web3(Web3.0)とは何か
インターネットやブラウザ、電子メール等が主流であったWeb1.0は専ら読む時代であった(read)。その後、Web2.0時代にはFacebookやツイッターといったSNSやクラウドが登場し、誰でも自由に書き込むことが可能となった(write)。他方、プラットフォーマーが強大な力を有する中央集権的な構造は、個人情報の囲い込みといった問題をもたらした。
これに対し、ブロックチェーン技術に基づく分散型のweb3(Web3.0)では、各参加者が投資や意思決定等をできることが大きな特徴である(join)。まさに人間のコーディネーションにかかる技術革命と言っても過言ではなく、web3時代にふさわしい仕組みを整備することが求められている。
■ web3時代にDAOが果たす役割
web3時代が到来するなか、ブロックチェーン上で資金を共同管理しながら運営する組織として、DAO(Decentralized Autonomous Organization、分散型自律組織)が果たす役割は大きい。DAO内では、中央管理組織を介することなく、独自のコミュニティを運営し、プロジェクトへの共同出資を募ることが可能である。例えば私が運営する「Henkakuコミュニティ」(※)では、ボランティア活動に対しトークン(暗号通貨)を発行し、参加者はいかなる意思決定にも投票できる。
地方創生の文脈では、新潟県旧山古志村(長岡市山古志)の取り組みが注目に値する。同村では世界で初めて電子住民票を兼ねて、錦鯉のデジタルアート作品等のNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)を発行するなど、村おこしに向けて自律的に参画するデジタル村民の取り組みが具現化している。NFTというと、マネーゲームのイメージが強いかもしれないが、日本のコンテンツ産業の競争力強化といった観点からも、大企業の連携がますます重要になるのではないか。
■ 日本の社会変革に向けて
DAOの仕組みが日本の会社や株主総会のあり方に大きなインパクトを与えることは疑問の余地がない。今後、現在の「法定通貨の経済」と「暗号通貨の経済」の間でDAOを介して富をいかに再配分するか、これこそweb3が考える新しい資本主義にほかならない。
自民党が今年3月末に提言「Web3.0時代を見据えたわが国のNFT戦略」を公表した後、岸田文雄内閣総理大臣が関係省庁に対応を指示するなど、政府の動き出しは悪くない。景気が低迷するなか、法制度を適切に整備するとともに、技術開発を進めることによって、わが国の社会変革に向けたプラットフォームが構築されることを期待している。
https://community.henkaku.org/ja
【産業技術本部】