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2020年1月7日
一般社団法人 日本経済団体連合会

【日本経済】

リーマンショック以降、日本経済はしっかりとした足どりで成長を続けており、今、景気が大きく揺れ動くという感覚はない。ただ、超低金利の中でこれまでと少し違った動きになっているという認識はある。今後も着実な経済成長を持続する上で、デジタルエコノミーにどう対処していくかが課題となっている。東京オリンピック・パラリンピック後の景気後退を憂える声を耳にするが、根本的な問題は経済構造の変化にスピード感をもって対応できるかどうかである。

【景気対策】

単年度予算では長期的なスパンが求められる政策にコミットメントしにくい中、複数年度でSociety 5.0の社会実装に取り組む視点が今年度の補正予算に反映されている。従来にない工夫であり、その実効性を見届けたい。

【財政健全化】

財政健全化は官民ともにしっかりと視野に入っている。経済界は現実的な解として、社会保障関連を中心に施策を提案し、政府は検討の俎上に載せている。同時に、緊急に対応すべき案件については機動性をもって財政出動をする必要もある。来年度予算や経済対策の規模については、予想以上に大きいという印象を持つものの、いかにワイズスペンディングし、どのようにPDCAをまわして、財政健全化につなげていくのかが問われている。

【春季労使交渉】

これまで賃金引上げにばかり注目が集まっていたが、今や春季労使交渉の意味合いは大きく変わりつつある。その背景には、高度経済成長期に機能した、効率重視で大量生産を支える雇用のあり方がうまくいかなくなってきていることがある。エンゲージメント向上に対応し、ジョブ型雇用をしっかりと組み込んだ働き方へと、コンセプトやルールを変えていかなければならない。それは個々の企業の業績向上にとどまらず、日本の国際競争力の強化、日本経済の発展につながっている。特に多様な人材が働きやすい職場環境の整備など、総合的な対策が重要となる。経営側と働き手で共に新しい方向性を考えていきたい。

【国際情勢】

今年も米国・イラン関係をはじめ、予測不能なことが頻発する不透明な状況は続く。政治と経済が一体となり、日本として個々の課題に対しどのようなスタンスをとるのかをしっかりと定め、難局を打開していかなければならない。経済外交の役割も問われている。経団連はこれまで以上に当該国との対話をしっかりと進めていく。単なる友好親善にとどまることなく、具体的な協力関係をいかに拡充していくのかが課題と認識している。

中東情勢は緊迫化している。国際社会にとって大きなリスク要因であるが、先が読みにくい。日本がエネルギーを中東に過度に依存しているという現実もある。地球規模の気候変動問題という課題も抱えている。これらをしっかりと踏まえて、エネルギー問題について、真正面から議論し、アクションをとる年にしたい。

以上

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