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カジノシークレット 出金期間

Action(活動) カジノシークレット 出金期間 2024年11月21日 No.3660 カジノシークレット 出金期間 -21世紀政策研究所 解説シリーズ/米国の内政と外交~2024年大統領選挙を軸として<7>/21世紀政策研究所研究委員(武蔵野大学法学部准教授) 杉野綾子

杉野研究委員

バイデン大統領の任期は、大統領および連邦議会選挙での民主党敗北という形で終わろうとしている。

バイデン大統領が就任後最初に直面した危機は、2021年2月中旬に起きたテキサス州大停電であった。テキサス州を超低気圧が襲い、テキサス電気信頼性評議会(ERCOT)のカジノシークレット 出金期間系統内で、記録的に急増した電力需要に対し発電設備の出力が大幅に減少したため、2月15日から18日にかけて、数百万人に影響を及ぼす大規模な停電が発生したのである。その原因として、氷雪・積雪による風力および太陽光発電設備の停止、凍結等による天然ガス生産減少と天然ガス需要急増による発電用ガス供給の減少、結果としての燃料不足によるガス火力発電の停止、設備の浸水等不具合による原子力、石炭火力、水力発電設備の出力低下――等が重なったことが挙げられる。

テキサス州は11年にも冬の嵐による大停電を経験しており、再発防止のために発電設備やガス供給設備の寒冷対策を義務付けるガイドラインが整備された。しかし、想定を超えた寒波が襲来したことに加え、テキサス州では石炭火力の廃止が進み、電源構成に占めるガス火力の比率が高まっていたことが大停電につながった。その後も、毎夏毎冬、電力需給逼迫に伴う輪番停電の警告が発せられる状況が続いている。

テキサスは、米国本土で唯一、独自のカジノシークレット 出金期間網を持つ州である。州の陸地面積の大部分をカバーするERCOTのカジノシークレット 出金期間系統は、他州のカジノシークレット 出金期間網とはほぼ連系していないため、テキサス州の電力取引は州際取引に該当しない。従って、電力市場監視を担う連邦エネルギー規制委員会(FERC)の監視を受けない。

テキサス州は米国の石油・ガス産業の中心地である。電力供給面でも、1990年時点でガス火力66%、石炭火力27%、原子力5%、水力1%という火力偏重な状況であった。しかし州内の電力需要が供給を上回るペースで拡大していたこともあり、90年代を通じて再生可能電力の導入に向けた議論が行われ、99年に再生可能電力基準(RPS)制度が開始された。当初目標は2009年までに2000メガワットの新規再生可能エネルギー電力設備の普及であった。目標は段階的に引き上げられ、25年までに1万メガワットとされたが、この目標は09年に達成され、現在では再エネ導入目標は設定されていない。23年時点で、テキサス州の発電設備に占める再エネ(太陽光および風力)は36%に達しており、ガス火力46%に次ぐ水準となっている(図表1)。

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(図表のクリックで拡大表示)

このように急激に再生可能電力設備が普及した要因として、テキサス州が太陽光・風力の資源に恵まれていたことや、再エネ発電コストの低減に加えて、電力市場の設計における特徴を指摘できる。全米の多くの地域では、新規の再エネ発電設備が系統への接続を申請した場合に、「投資と接続」と呼ばれる手法を採っている。提案された発電機が、需給逼迫やカジノシークレット 出金期間混雑等の厳しい系統条件でも供給源として貢献できることが求められるため、系統制約を緩和するためにカジノシークレット 出金期間容量の拡大のための投資をしばしば求められる。この追加投資要件により、発電投資が経済性を失うこともある。他方、ERCOTは「接続と管理」と呼ばれる手法を採用しており、追加カジノシークレット 出金期間投資を求められる可能性は低いものの、緊急事態の際に出力を抑制される可能性が高い。発電事業者にとっては迅速に系統接続できるが、プロジェクトの収益予測の不確実性が高まることになる。

テキサス州は再エネ発電の導入が進み、通常は安価な電力価格を享受している。他方、ERCOTが周辺州と連系していないために需給逼迫時に電力融通を受けられないことが、脆弱性として指摘されている。このためバイデン政権は、ERCOTを隣接する系統と接続するための支援も進めてきた。インフラ投資・雇用法のもとで米国エネルギー省(DOE)は、米国の電力システムの脱炭素化に資するべく、全国に新しい地域間カジノシークレット 出金期間線を建設するための25億ドルのカジノシークレット 出金期間促進プログラム(TFP)を開発した。TFPは、カジノシークレット 出金期間線の新規開発・更新を支援する回転基金プログラムである。24年10月には4件のプロジェクト採択が発表され、ERCOTと米国南東部の電力網を結ぶサザン・スピリットカジノシークレット 出金期間線計画に、最大3億6000万ドルを支援することが含まれた。ミシシッピ州、ルイジアナ州、テキサス州にまたがる「サザン・スピリットカジノシークレット 出金期間線」は、全面的に承認されれば、26年に建設開始、29年に商業運転開始を目指す計画である。

DOEは23年10月、全国のカジノシークレット 出金期間網における主要なギャップを特定する国家カジノシークレット 出金期間ニーズ調査プログラムの報告書も発表した。同調査に基づきDOEは、「電力カジノシークレット 出金期間容量の制約や混雑が消費者に悪影響を及ぼしている」地域を「国益電力カジノシークレット 出金期間回廊」(NIETC)として指定できる。NIETCは、連邦政府の土地収用権を利用してカジノシークレット 出金期間線立地を迅速に進めることができる。この土地収用のための規則は、24年5月に発効した(Order No.1977)。特に州が申請を拒否した場合に通過通行権を認める手続きが検討された。

また同ニーズ調査報告書は、国内全域でカジノシークレット 出金期間インフラの追加が緊急に必要としている。実際、バイデン政権が掲げる35年までに国内電力部門の炭素排出量ネットゼロの達成には、大規模な再エネ発電施設の継続的な導入が必要である。異常気象やデータセンターによる負荷増加への対応にも、より多くのカジノシークレット 出金期間容量が必要とされる。しかし米国では近年、州間高圧カジノシークレット 出金期間網の新規建設が減速している(図表2)。

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(図表のクリックで拡大表示)

このためDOEは24年4月、連邦政府によるカジノシークレット 出金期間プロジェクトの認可プロセスを従来平均の4年から2年に短縮することを目指し、省庁が環境影響評価や自治体・地域住民との対話で連携するための枠組み(CITAP)を施行した。またFERCは24年5月、管轄下にあるカジノシークレット 出金期間事業者に対して、カジノシークレット 出金期間設備の長期計画の実行、最新の系統技術の採用、プロジェクト費用の回収方法の決定――などの具体的な要件を定める「Order NO.1920」を発行した。これは風力発電や太陽光発電への接続を具体的に義務付けるものではない。しかし長期計画と大規模プロジェクト費用の地域分担の要件は、カジノシークレット 出金期間投資を促し、インフレ抑制法(IRA)の税制優遇措置によって刺激された脱炭素電源の系統接続を加速するために不可欠である。Order No.1920は定数5人のFERC委員のうち、多数派の民主党委員によって承認された。共和党委員は、この規則が、民主党が望む風力・太陽光発電を推進し、化石燃料発電所の閉鎖を強いることを意図していると主張し、反対した。

さて、トランプ前大統領の再登板で、カジノシークレット 出金期間インフラをめぐる政策にはどのような変化が起きるだろうか。トランプ政権第1期の政策は、化石燃料の開発生産の促進、規制緩和、再エネ促進策の後退を通じて米国内のエネルギーコストを引き下げ、米国の産業競争力を高める――というものであった。第2期は、17年と異なる世界情勢に直面することとなる。インフラ投資・雇用法(IIJA)とIRAによって資金提供される投資の多くが共和党優勢の地域で行われており、共和党議員の多くが両法令の全面的廃止は望ましくないと考えている。また、世界各国がクリーンエネルギーへの移行を約束している。なかでもEUは炭素国境関税を制定し、炭素多排出生産者からの輸入にペナルティを科すことになる。トランプ氏が排出量規制を撤回すれば、米国の製造業者は新たな輸出障害に直面する可能性がある。

再エネ偏重の促進策には反対するものの、原子力、地熱、エネルギー貯蔵、バイオ燃料、クリーン水素、二酸化炭素回収・貯留(CCS)、持続可能な航空燃料(SAF)、ハイブリッド電気自動車(EV)、太陽光エネルギーといった個別の技術については、支援する範囲と手法は異なるが、超党派の支持がある。重要なエネルギー分野で中国依存からの脱却を図る方針も同様である。原子力、地熱、CCSなど共和党の好みに沿った技術に重点が置かれながらも、トランプ政権下でもエネルギー転換は継続することが予想される。

カジノシークレット 出金期間インフラについて、トランプ氏は16年選挙当時から大規模投資を通じた近代化の必要性を訴えてきた。また、共和党議員の多くは、負荷増加に対応し得る十分なカジノシークレット 出金期間インフラの確保を懸念している。ただし、FERCが供給信頼度以外の価値を考慮して脱炭素電力を支持することには批判的であり、人事を通じてFERCへの統制を強めることになるだろう。さらに、大規模インフラ計画の許可手続きの迅速化に向けた改革法案の検討が議会で停滞している。インフラの許可について、民主党側は、連邦省庁の連携を強め、効率化を進めつつも地域住民の関与や環境正義への配慮を強める一方、トランプ陣営は、決定権限を州や自治体に委譲し、連邦政府の審査項目を削減して効率化を図る――と対照的な方針を持つ。22年に提出されたジョー・マンチン上院議員(無所属、ウェストバージニア州)とジョン・バラッソ上院議員(共和党、ワイオミング州)の法案は、反対派による異議申し立ての期限を150日以内に制限することと、州の土地に対する連邦政府の土地収用権の拡大を含めている。トランプ政権は、議会に前述の改革法案の審議加速を求めると予想されるが、その過程で、連邦権限の拡大・縮小の部分がどのように調整されるのか注目される。

時事解説「米国の内政と外交~2024年大統領選挙を軸として」<第7回>
http://www.21ppi.org/theme/usa/index.html

【21世紀政策研究所】

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