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Action(活動) カジノシークレット 銀行出金 2024年10月31日 No.3657 2024年米大統領選挙と移民・不法移民政策 -21世紀政策研究所 解説シリーズ/米国の内政と外交~2024年大統領選挙を軸として<6>/21世紀政策研究所研究委員(東京大学大学院法学政治学研究科教授) 梅川健

梅川研究委員

2024年11月5日に投票日を迎える米国大統領選挙では、カジノシークレット 銀行出金重要争点の一つであり、バイデン政権初期に移民政策の責任者であった副大統領のカマラ・ハリス候補のアキレス腱になっている。この争点をめぐり、両党の候補者の掲げる政策が、従来の民主党と共和党のものから変わりつつあることに注意したい。

そもそも米国において、カジノシークレット 銀行出金民主党と共和党の間で合意不可能な党派的争点に転化したのは00年代以降であった。それ以前、特に1980年代と90年代においては、すでに米国内に暮らす不法移民の地位合法化と、新たな不法移民の流入を防ぐ国境警備の厳格化という組み合わせに、両党が合意し、包括的な移民法改正がなされていた。これが2000年代以降になると、民主党内では不法移民に対して寛容な立場が、共和党内では不寛容な立場が主流となり、不法移民の地位合法化を求める民主党と、国境管理厳格化を求める共和党が激しく対立するようになった。

この結果、連邦議会において合意に至らない二大政党を横目に、大統領が自らの権限で問題に対処するようになった。オバマ元大統領は議会審議未了の改革内容を「若年者向け強制送還延期プログラム」(DACA)として打ち出した。トランプ前大統領は国防費の一部を流用して南部国境に壁を建設した。大統領にこのような権限があるのかは議論が分かれるが、ともかくも1990年代までは議会立法によって対処されてきた移民政策に、大統領が正面から向き合わなければならなくなった。バイデン政権において、この任を担ったのがハリス氏だった。

ハリス氏は難しい時期に陣頭指揮を執ることになった。トランプ政権は、新型コロナウイルスによるパンデミックに対処するために、44年公衆衛生法上の権限(防疫のために人の移動を制限する権限を大統領に与えている)に基づいて、「公衆衛生緊急事態」を宣言し、南部国境からの流入を制限したが、パンデミック終息後の2023年、バイデン大統領は公衆衛生緊急事態を解除した。これが、南部国境の「開放」だというメッセージとして米国への移動を望む人々には伝わってしまった。南部国境に押しかけた人々の波にうまく対処できず、ハリス氏にとって苦い経験となった。

国境管理が機能不全に陥るなか、共和党州知事が積極的な行動に打って出た。テキサス州のグレッグ・アボット知事や、フロリダ州のロン・デサンティス知事は、不法移民をニューヨークやワシントンDC、シカゴといった移民に寛容な政策を掲げる「聖域都市」にバスで送り込んだのである。聖域都市は、国境州から送り込まれる人々の対応に、すぐに限界を迎えた。早々に対策費用が底を突くと、民主党知事から連邦政府による支援を求める声が強まり、民主党支持者の間でも国境の厳格な取り締まりを求める声が強まっていった。

バイデン大統領は民主党内からの不満の声を聞き取り、議会によって権限が授与されたならば国境を厳しく管理すると約束した。23年の秋には、上院民主党はカジノシークレット 銀行出金の合法化を含まない、国境警備と難民申請の厳格化からなる移民法案を作成し、共和党の支持を得ようとした。かなりの共和党への妥協案だったが、共和党は首を縦に振らなかった。当時、共和党候補としての地位を確実にしつつあったトランプ氏が、同法案を成立させることはバイデン大統領と民主党への「贈り物」になるとして、共和党議員に警告していたのである。バイデン大統領は民主党内左派からの反発を覚悟しながら超党派立法に賭けたのだが、失敗に終わった。

バイデン大統領から突如、大統領候補の地位を引き継いだハリス氏も、移民政策では国境管理に軸足を置いており、従来の民主党の立場からは離れている。ハリス氏の現実主義的側面を示しているといえるが、同時に、民主党左派には反発の芽が存在する。いかに民主党をまとめられるかがハリス氏の課題である。

他方トランプ氏は、従来の共和党よりも過激な不法移民対策を主張している。従来、米国政府は、国境で身柄を拘束した者に対してのみ、聴聞も不服申し立ての機会も与えない「迅速な強制送還」手続きを用いてきたが、これを入国2年目以内の不法移民にも使おうと計画している。より根本的な移民政策の変化として、出生地主義に挑戦しようとしている。米国籍(=市民権)は、出生地によって決まる。これは、合衆国憲法修正第14条によって定められているが、トランプ氏は不法移民の両親から生まれた子どもに、米国内で出生したことを理由に市民権を与えるべきではないと主張している。移民国家米国の大原則の変更まで、トランプ氏は考えている。

時事解説「米国の内政と外交~2024年大統領選挙を軸として」<第6回>
http://www.21ppi.org/theme/usa/index.html

【21世紀政策研究所】

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