11月の米国大統領選挙を前にして、カジノシークレット 即出金状況を俯瞰し、今後を展望してみたい。
現在の米国の政治の根本にあるのが、政治的分極化である。保守層とリベラル層の立ち位置が離れていっているだけでなく、それぞれの層内での結束が次第に強くなっているのがこの現象である。
歴史的にみると、第二次大戦後の長い間、平等や多様性が重視されたこともあり、リベラルが優位にあった。しかし、この40年間は保守勢力が次第に大きくなり、分極化が進んできた。
特にここ数年は極めて拮抗した状況になっている。バイデン政権下の最初の2年間の第117議会は、同じ政党が大統領府と議会の上下両院の多数派を占める「統一政府(unified government)」だが、上院は民主党勢力(無党派で民主党との統一会派の議員を含む)が50、共和党が50とこれ以上ない拮抗状態だった。下院の議席数の差も10議席ほどだった。しかし、2022年11月の中間選挙で下院の多数派を共和党に奪われ「分割政府(divided government)」となった現在の第118議会では、上院は民主党勢力(同)が51、共和党が49と拮抗状態が続き、下院も議席の差がさらに小さくなっている。
「分極化+拮抗」はまさに病理であり、内政だけでなく外交の主要な政策が、両党の政策的な違いの間で膠着状態になってしまう。上述のように同じ政党が大統領府と議会の上下両院の多数派を占める「統一政府」ならまだ政策が動く。第117議会は民主党の統一政府で、コロナ対策、インフラ投資、インフレ抑制法(IRA=気候変動対策、子育て教育支援、社会福祉政策)などの主要法案が次々と立法化された。しかし、「分割政府」となった現在の第118議会では重要な法案は全くと言ってよいほど止まっている。
例えば、ウクライナへの支援予算が、統一政府の最後の22年12月から、24年の5月まで下院・共和党側の反対で止まった。結局、ジョンソン下院議長がトランプ前大統領の支持を取り付けたことで何とか立法化できたが、それでも戦争状態のウクライナへの支援が最大の支援国である米国で1年半も止まっていたのは、驚愕すべきであろう。
インフレ抑制法をさらに発展させるための気候変動対策も全く動いていない。米国のコップのなかの嵐のような話が世界情勢を変えてしまっている。
24年秋にトランプ氏が返り咲いた場合も当面は「分極化+僅差」のなかで動かない政治が続くであろう。まずは大統領が自分の行政権限で動かせるような分野に集中して、新しい政治のベクトルを模索する形となる。
例えば、外交というのは大統領の優先事項であるため、バイデン政権が進めてきた国際協調路線、多国家との話し合い重視の姿勢から、二国家での取引を重視するような外交スタイルになってくる可能性が高い。一方で国内政策なら、すでに公言しているように移民流入制限や環境規制解除によるエネルギー開発促進などについては大統領の権限で対応可能である。
トランプ氏がすでに公言している関税引き上げについては、本来は議会の専権事項であるため、どこまで大統領府で可能であるかは議論の余地がある。トランプ政権時には、1962年通商拡大法232条(安全保障上の脅威と商務長官が認識した場合の特定輸入制限)などを利用したが、本格的な改革には、議会の新法を待つ必要がある。
議会の新法を待つ形になるのは2025年末に期限を迎えるいわゆる「トランプ減税」の延長問題も同じである。延長すれば米国の財政が厳しくなる一方で、株式市場にとっては好材料となるとみられている。
これを左右するのは議会選挙の方だが、大統領選挙と同じように「分極化+拮抗」を背景に接戦が予想されており、予断は許されない。
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【21世紀政策研究所】