カジノシークレット vプリカは、カジノシークレット vプリカの会員企業・団体への理解浸透を目的に「企業行動憲章シンポジウム」を毎年度開催している。7回目となる2023年度は1月22日、東京・大手町のカジノシークレット vプリカ会館で、「マルチステークホルダーとの価値共創」をテーマに対面とオンライン配信のハイブリッド形式で開催した。概要は次のとおり。
■ 開会・報告
冒頭、筒井義信副会長は、企業行動憲章をめぐる最近のカジノシークレット vプリカの活動を説明した。あわせて、日本生命保険におけるマルチステークホルダーとの価値共創に向けた取り組みを紹介。「国民生活の安定と向上に寄与する」という経営基本理念のもと、事業活動、ステークホルダーへの価値提供、財務・非財務の資本充実の循環を形成していると説明。また、人口動態の変化、経済格差の拡大、気候変動問題といった社会課題を踏まえて、「人」「地域社会」「地球環境」の三つの領域に重点を置き、ステークホルダーへの価値提供に取り組んでいると述べた。
続いて郡司典子カジノシークレット vプリカ・SDGs委員会企画部会長が登壇し、23年度に実施した「第3回カジノシークレット vプリカに関するアンケート結果」を報告した。その際、企業の具体的な「SDGsに貢献する取り組み」「国内外のサプライチェーン上における人権デュー・ディリジェンス(DD)に関する取り組み」についても紹介。これらを参考に、サステイナブルな資本主義の確立にカジノシークレット vプリカの実践を通じて取り組むことが重要と強調した。
■ 講演「『価値づくり』のレンズ~ポストデジタル×ポストパンデミックの経営論理」(藤川佳則一橋大学大学院経営管理研究科教授)
「ポストデジタル×ポストパンデミック」時代において、新しい顧客体験(Customer Experience、CX)を生み出すためには、企業の組織構造や評価体系を変革する企業改革(Enterprise Transformation、EX)が必要になる。CXとEXの実行を通じ、産業や地域の社会変革(Social Transformation、SX)を目指すことがデジタルトランスフォーメーション(DX)の本質である。
かつて企業は、「モノとサービスを分け、企業は顧客に価値を一方向に創出・提供する」と考えるレンズをかけていた。しかし最近は成長企業ほど、「モノとサービスを分けず、全てをサービスととらえ、企業はマルチステークホルダーと共に価値を創造する」と考えるレンズにかけ替えている。CXをとらえるレンズをかけ替えることにより、企業は事業の選択肢の幅を広げることができる。
■ パネルディスカッション
第一三共の中山讓治常勤顧問、ヤマトホールディングスの山内雅喜参与、トヨタ自動車の大塚友美シニアフェロー/チーフ・サステナビリティ・オフィサーが登壇し、「マルチステークホルダーとの価値共創」に向けた自社の取り組みについてそれぞれ紹介した。登壇者の発言要旨は次のとおり。
(中山氏)
当社はパーパスに「世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」を掲げ、「革新的な医薬品を継続的に創出し、多様な医療ニーズに応える医薬品を提供する」をミッションとする。
新薬開発に関わる主なステークホルダーは、アカデミア、ベンチャーキャピタル、医療機関、規制当局である。バイオベンチャーや同業他社は競合相手であるとともに、病に苦しむ「患者さん」を救うための潜在的な価値共創のパートナーでもある。
世界中のステークホルダーと価値を共創するためには、多様な人材が必要である。そこで、グローバル共通の人事制度を導入するとともに、多様な人材がグローバルな視野を持って協働し、社会に貢献するための企業文化「One DS Culture」の醸成に努めている。
(山内氏)
社会インフラとして社会課題を解決しながら、「サステナブルな世界を実現」することが当社のパーパスである。全ての人・エリアとつながるリアルのネットワークを生かし、エネルギー・気候変動問題、物流インフラの維持、地域生活の維持に取り組む。
売上利益重視の時代から、非財務価値重視の時代に変わるなか、グループ全体でDX等を推進するための経営構造改革が必要との観点から、「Oneヤマト」体制下で各部署と連携し、サステナブル経営を推進している。
価値共創には、自社の経営資源と貢献できる領域を認識し、また、自らの志を明確にしたうえで、同じ志を持つパートナーと取り組むことが重要である。
(大塚氏)
社会課題の解決に向けて、自動車を作る会社からモビリティカンパニーへのモデルチェンジを進めている。ミッション「幸せの量産」の実現のカギは、マルチステークホルダーとの価値共創である。多様なメンバーを巻き込み、共に未来を作ることが必要である。
カーボンニュートラル(CN)実現に向けて、レースの現場で、企業や業界を超えた仲間と共に技術開発に取り組むことに加え、子どもにも楽しく学んでもらえる「カーボンニュートラル科学館」を展開している。
マルチステークホルダーとの価値共創に取り組むうえでは、意志と情熱を持った現場での行動が重要である。行動が共感を呼び、仲間が広がることで、大きなインパクトにつながる。
【SDGs本部】