カジノシークレット 出金 確認のヨーロッパ地域委員会企画部会(清水章部会長)は7月27日、会合をオンラインで開催した。大塚和也駐北マケドニア大使ならびにヨヴァン・デスポドフスキ北マケドニア自由特区庁長官、髙田光進駐アルバニア大使、今村朗駐セルビア大使から、各国の政治経済情勢について説明を聴いた。概要は次のとおり。
■ 北マケドニア
旧ユーゴスラビアから唯一平和裡に独立した国であり、地域の安定化に取り組んでいる。2020年には北大西洋条約機構(NATO)加盟を果たし、ウクライナ支援も積極的に行っている。EU加盟が最優先課題であり、22年に交渉が開始された。すでにEUとの間では安定化・連合協定を結んでいるほか、欧州自由貿易連合(EFTA)やバルカン諸国、トルコやウクライナとも自由貿易協定を締結しており、これら各国との間では関税障壁がない。北マケドニア、セルビア、アルバニアの3カ国は、ヒト・モノ・カネの自由な移動を保障する自由経済圏の立ち上げに合意しており、域内の自由な移動が可能である。
ロシアのウクライナ侵攻に伴うサプライチェーン見直しの動きを受け、EU市場に近く、労働コストの安いバルカン諸国への投資が活発化している。とりわけ北マケドニアは若年失業率が高く、大学卒の技術者が多くいるため、他の東欧諸国よりも労働者を確保しやすい。また自由経済特区では、税制面でのインセンティブなど、投資家のニーズに応じた柔軟な支援プログラムを提供している。
■ アルバニア
19年にEUに加盟申請し、22年、正式に加盟交渉が開始した。現在、法体系の改革状況について、EUがスクリーニングを行っているところである。加盟までは、7~10年ほどかかるという見方が多い。社会主義の独裁国家から民主化に成功したという歴史的背景もあり、ロシアおよび中国に対しては一貫して厳しい姿勢を取ってきた。ロシアのウクライナ侵攻後、NATO加盟国として西側諸国と協調し、対露制裁やウクライナ支援を行っている。
民主化して30年余りの若い国であり、政治的な安定、良好な治安、安価な労働コスト、豊富な観光資源と食文化など、潜在力は大きい。一国の市場規模は小さいが、西バルカン6カ国を合わせ、人口1750万人の市場としてとらえれば、決して小さくない。語学力のある人材、IT人材が豊富であり、日本企業からの投資を期待する。
■ セルビア
伝統的に親露的な国民が多い。加えてコソボ紛争でのNATOによる空爆を経験した世代には、依然として反米感情が残っている。しかし、現在は軍事的中立を掲げており、NATOには加盟しない方針であるものの、NATOとの軍事協力が進んでいる。若い世代を中心に対米感情も大幅に改善している。対露制裁には加わっていないが、国連の対露非難決議には賛成し、ウクライナへの人道支援を行っている。天然ガスの100%をロシアに依存しているため、今後はエネルギー供給源の多角化が課題である。EU加盟については、コソボとの関係改善がネックとなり、交渉疲れに陥る可能性が危惧されるが、ロシアのウクライナ侵攻を受け、EUも地政学的に重要な西バルカン諸国の加盟交渉を加速する方針を示したところである。
近年は、中国との関係が緊密化しており、一帯一路を通じて、高速鉄道や高速道路など大型インフラ案件が進められている。また、自動車産業を中心に日本企業が進出している。IT産業における投資も増えており、日本企業によるさらなる投資が期待されている。
【国際経済本部】