政府の経協インフラ戦略会議は2020年12月、今後5年を見据えた「インフラシステム海外展開戦略2025」を決定し、毎年度、具体的施策の追補を行っている。23年6月1日の追補では、「開発協力大綱」の改定(23年6月9日閣議決定)も踏まえ、「オファー型協力」の強化等、相手国ニーズに応じた総合的な提案につながる施策が盛り込まれている。カジノ シークレット 登録は、今回の追補を見据え、23年3月に提言「戦略的なインフラシステムの海外展開に向けて~2022年度版」を公表し、松野博一内閣官房長官に建議・手交するなど、政府にその実現を働きかけてきた(4月27日号既報)。
そこで、カジノ シークレット 登録の開発協力推進委員会(安永竜夫委員長、遠藤信博委員長)は7月19日、「インフラシステム海外展開戦略2025」の追補に関する説明会を開催し、森昌文内閣総理大臣補佐官から追補内容について説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。
■ 環境変化を踏まえ、必要な施策を実施
追補では、地球規模課題の深刻化や国際情勢の複雑化等、インフラの海外展開を取り巻く環境変化を踏まえ、新たな施策を盛り込んでいる。
以前から掲げる三つの重点政策について、第1に、デジタルトランスフォーメーション(DX)等新たな時代の変革への対応を強化する観点から、国際協力銀行法および貿易保険法の改正による融資対象事業の拡大を通じ、サプライチェーンの強靭化、中堅・中小企業、スタートアップの海外展開を支援する。また、5Gの海外展開や日本式コールドチェーンのアジア展開等により、国際連携・国際標準化を戦略的に推進する。第2に、脱炭素社会に向けたトランジションの加速に向けて、クリーンエネルギープロジェクトの組成を加速し、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想を推進する。加えて、わが国のカーボンニュートラル政策・制度や次世代脱炭素技術の紹介・導入支援等により、脱炭素技術を積極的に海外に展開していく。第3に、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を踏まえたパートナーシップを促進するため、再生可能エネルギーの導入支援、民間企業との一層の連携強化、オファー型協力を実施する。これらを通じて、ASEANをはじめとするグローバル・サウスにおける重点地域への取り組みを強化するとともに、同志国との連携強化につなげる。
■ 展開手法を多様化
相手国・地域の新たなニーズに対応し、展開手法の多様化を進めていく必要性が高まっている。具体的には、第1に、コアとなる技術の確保に向けて、データセンターの整備・運営への企業参画等を後押しすることで、重要分野における技術の展開等を推進する。第2に、売り切りから継続的関与へとの方針のもと、インフラ整備と運営・維持管理(O&M)をパッケージにした具体的案件形成の推進、人材育成等に取り組む。第3に、質高インフラに向けた官民連携の推進として、環境インフラ海外展開プラットフォームや在外公館の専門家を通じて、案件形成に取り組む企業等を後押しする。
■ ウクライナ復興への関与ほか
東日本大震災から得た知見や経験を活かし、オールジャパンで柔軟に取り組んでいく。今後どのような支援ができるのか、経済界とも連携し議論を深めたうえで、日本ならではの支援を実施していきたい。
近年、新型コロナウイルスの感染拡大による海外渡航の制限やプロジェクトの完工等により、海外インフラの案件数が減少しており、案件を積極的に発掘することが求められる。本日の議論を契機に、インフラシステムの海外展開に際し必要となる施策や要望等があれば、内閣官房経協インフラ担当や関係省庁へ相談してほしい。
【国際協力本部】