経団連は1月19日、カジノシークレット 出金期間オンラインで開催した。企業の人事労務・ダイバーシティ担当者ら約450人が参加した。概要は次のとおり。
■ 石津厚労省雇用機会均等課長説明
2022年8月1日に開催したカジノシークレット 出金期間省令改正に関する説明会」(9月8日号既報)に引き続き、第1部は、厚生労働省雇用環境・均等局の石津克己雇用機会均等課長が、22年7月8日に施行された女性活躍推進法改正省令について講演した。同施行によって、常用労働者数301人以上の事業主に、毎年、男女の賃金の差異の公表が義務付けられており、事業年度を4月から翌年3月とする企業では、23年4月以降、速やかに初回を公表することが求められる。同期間を事業年度とする企業が多いことから、説明欄の活用例も含め、改正省令のポイントを説明した。
男女の賃金の差異は、求職者向けの情報というだけでなく、企業が自社の女性活躍推進の取り組み状況をみる指標としても重要である。各企業においては、数値の大小のみに終始するのではなく、情報公表の義務化を一つの契機ととらえ、自社の女性管理職比率や平均継続勤務年数等の状況把握、課題分析をあらためて行ったうえで、女性の活躍に向けた具体的取り組みを一層推進することに役立ててほしい。また、公表に際しては、数値だけでは読み手に伝えきれない自社の実情を説明するため、説明欄を活用して、より詳細な情報や補足的な情報(例えば「女性の採用を拡大した結果、男女の賃金の差異が生じている」等、差異につながる背景事情等のエピソード)を公表することが望まれる。
■ 事例紹介、トークセッション
第2部は、女性の活躍推進に取り組む企業として、清水建設人事部ダイバーシティ推進室室長の西岡真帆氏、大和証券グループ本社兼大和証券人事部人事一課次長兼ダイバーシティ&インクルージョン推進室室長の森千春氏、トヨタ自動車Chief Sustainability Officerの大塚友美氏が登壇。自社の取り組みに関して、西岡氏は、キャリアと育児の両立を目的としたハンドブックやセミナーの開催、経営トップからの積極的なメッセージの発信等について、また森氏は、広域エリア総合職という新たな職制の導入、社長が委員長を務めるダイバーシティ&インクルージョンを強力に推進するための委員会の設置・運営等について、さらに大塚氏は、昇格に関する年次管理の撤廃、女性エグゼクティブとのコミュニケーションの場の設置等について、それぞれ説明した。
その後のトークセッションでは、(1)管理職登用に向けた課題と対策(2)男性の育児休業の取得(3)アンコンシャスバイアスの払拭――という三つのテーマに沿って、参加者も交えて意見交換した。(1)については、一人ひとりを後押しする声がけなど、管理職候補者を地道かつ丁寧に見続けることが重要と考えられる、(2)については、子どもたちを通じて未来に目を向けることが仕事においても重要であり、男性育休をその一つのきっかけとして広げていこうとしている、(3)については、昨日までの正解が本当に正解とは限らないなかで、多様な考え方から柔軟にヒントを得ていく風土を全社に波及させたい――など、いずれのテーマに関しても示唆に富む指摘があった。
最後に、各登壇者から参加者へ、「育児や介護の事由にかかわらず、すべての社員が働きがいを感じられる職場環境を目指し、取り組みを進めている。全員がプライベートと仕事を両立できるよう、お互いを思い合える職場づくりを目指したい」(西岡氏)、「一人ひとりが活躍できることが当たり前の職場を目指している。多様性を力に変え、それが企業価値につながることを示していきたい」(森氏)、「多様性を自分たちがまず理解して体現していくことが大事だと思っている。そのうえで、仕事はもちろん、それ以外の時でも、常に他人に対する思いを大切にする社会を皆さまと一緒につくっていきたい」(大塚氏)との抱負を述べた。
【労働法制本部】