aカジノシークレット企業人政治フォーラム(片野坂真哉会長)は8月3日、東京・大手町のaカジノシークレット会館で定時総会・記念講演会を開催した。自由民主党幹事長を務める茂木敏充衆議院議員が、「参院選の結果と今後の政策運営」と題して講演した。概要は次のとおり。
■ 参院選の結果
7月に行われた参議院議員選挙では、自民党が改選議席数の過半数となる63議席を獲得し、勝利を収めることができた。勝因は大きく三つあると考えている。
1点目は、選挙期間中も含めた高い内閣支持率・自民党支持率である。過去2回を大きく上回る支持率が、自民党候補の活動を後押しした。2点目は、重点区への「選択と集中」である。特に、これまで自民党が苦戦を強いられてきた東北・甲信越の選挙区に関して、党幹部が候補者の応援に何度も入るなど、重点的な対応を行った。3点目は、野党の分裂、乱立である。過去2回の参院選と違って、32の一人区のうち野党側が候補を一本化した選挙区が11にとどまったことも、勝因の一つと考えている。
今回の参院選を通じ、国民から「政治の安定」という大きな力をいただいたと受け止めており、自民党として、今後もしっかりと期待に応えていく。
■ 今後の政策課題
当面の重要政策課題について、3点お話ししたい。
重点課題の1点目は、物価高騰への対応である。ロシアによるウクライナ侵略などを背景に、世界的な物価上昇に直面しており、欧米では、8~9%の物価上昇率となっている。一方、日本では、その4分の1、2%程度の上昇幅に抑えられている。輸入小麦の政府売渡価格の据え置き、ガソリン価格上昇を抑えるための補助金など、政府の対策の効果が出ている。引き続き、5.5兆円確保している予備費などを活用しながら、スピーディーで効果的な対策を講じていく。
さらに、2点目として、こうした物価上昇にも負けない賃上げが重要となる。今年の賃上げ率は2.07%と、過去20年で2番目に高い水準の賃上げを経済界には実現していただいた。こうした賃上げを継続的に行うための環境整備が何より重要であり、デジタル人材の育成をはじめとする、「人への投資」をより強力に推進していく。特に、少子化問題は、人口減による国力の低下につながり、安全保障にも影響するなど、日本が直面する大きな課題となっている。次の世代により良いバトンを継ぐために、「新しい資本主義」のもと、「人への投資」やデジタルトランスフォーメーション(DX)・グリーントランスフォーメーション(GX)などの社会変革の取り組みも力強く推進していく。
そして、3点目として、安全保障について、国際秩序の再構築が喫緊の課題となるなか、わが国としても、これまでの外交・安全保障政策に加え、(1)経済安全保障(2)エネルギー安全保障(3)食糧安全保障――の三つの安全保障の取り組みを進めていくことが求められる。
防衛費については、対GDP比2%を踏まえた、予算水準の確保を検討する。エネルギー安全保障についても、電力の安定供給、原子力関連技術の継承といった観点からも、安全性の確認された原子力発電の活用を含め、検討を深めていくことが重要となる。
日本が直面する内外の厳しい課題に取り組んでいくうえで、政治の力だけではすべてに対応することはできない。引き続き、経済界と力を合わせて、この難局を乗り越えていきたい。
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講演会に先立ち開催した2022年度定時総会において、同フォーラムの新会長にANAホールディングスの片野坂真哉会長を選任するなど、役員の改選等を含む各議案について審議し、原案どおり承認された。
【総務本部】
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