経団連は12月14日、デジタルエコノミー推進委員会企画部会データ戦略ワーキング・グループ(若目田光生主査)をオンラインで開催した。デジタル庁の田邊光男参事官、内閣府知的財産戦略推進事務局の前田三奈政策企画調査官から、包括的データ戦略の今後の進め方について説明を聴いた。概要は次のとおり。
■ 包括的aカジノシークレットに向けた検討の方向性
現在、包括的aカジノシークレット行を進めており、特にトラスト基盤の構築、ベース・レジストリやプラットフォームの整備に力点を置いている。
トラスト基盤の構築のために、各手続き・取引におけるトラストサービスの普及に向けた課題やニーズをステークホルダーごとに整理している。あわせて、手続き・取引の電子化の進捗等に関する実態を調査し、手続き・取引の種別に応じて必要と考えられる信頼度の整理案を今年度中に作成する予定である。
また、ベース・レジストリ(注1)を構築すべく、事業者系・土地系・行政系の3分野におけるデータから優先的に整備を進める。実装したい姿と現状とのギャップやデータ構造を明確化したうえで、データの取り扱いに関するルールやサービスの実装に必要な機能について今年度中に方針を整理する。
現状では、準公共分野(健康・医療・介護、教育、防災等)におけるサービスの提供方法が、分野・提供主体ごとに異なっている。個人が複数のサービスを自らのニーズに応じて自由に組み合わせ、自らの生活に合わせてデザインできるよう、アーキテクチャに基づいた取り組みを講じるとともに、デジタル化の進捗を評価する仕組みの構築を検討する。
■ プラットフォームにおけるデータ取り扱いルール
データ流通の阻害要因を払拭するとともに、プラットフォーム上のデータ流通を促進するため、「プラットフォームにおけるデータ取扱いルールの実装ガイダンス ver1.0案」(注2)を作成した。
データ流通の阻害要因としては、データ提供先での目的外利用やパーソナルデータの取り扱いに対する不安等、ステークホルダーの懸念・不安感が挙げられる。
プラットフォームを運営する主体や参加事業者には、こうした阻害要因の特定とともに、リスク対応ポリシーとデータ取り扱いルールの策定、懸念・不安感の変化に応じた柔軟なルール更新が求められる。同ガイダンス案はその検討のための視点と手順をまとめたものである。
今後、実際のプラットフォームの構築・運営の過程で判明する課題を踏まえて、継続的に改訂する予定である。
(注1)公的機関等で登録・公開され、さまざまな場面で参照される、人、法人、土地、建物、資格等の社会の基本データであり、正確性や最新性が確保された社会の基盤となるデータベース
(注2)ガイダンスの対象は、政府が実装を目指す分野別のプラットフォームと、データ連携基盤であるDATA-EXである
【産業技術本部】