経団連は10月12日、報告書カジノシークレット 入金ボーナスを公表した。副業・兼業は、働き手の多様な価値観を尊重し、自律的なキャリア形成に資するものであり、エンゲージメント向上に必要な「働きがい」と「働きやすさ」の双方を高める施策の一つとして注目を集めている。同報告書では、主にこれから副業・兼業を積極的に活用したいと考える企業の参考となるよう、健康管理や競業避止など、導入における課題と方策などを整理するとともに、実際に副業をしている働き手のインタビューや先進的な15社の事例を掲載している。
■ 導入目的・効果
副業・兼業の推進にあたっては、制度の導入目的を明確にしたうえで、自社の実態に合わせて検討することが肝要である。事例掲載企業では、エンゲージメント向上を目指す施策として位置付けている点で共通している。働き手からは、副業・兼業をすることで、本業への帰属意識が高まり、パフォーマンスの向上などを実感するとの声が多い。また、企業の多くは、導入効果として企業イメージの向上やイノベーションの拡大、優秀人材の確保・定着などを挙げている。非雇用により副業・兼業者を受け入れて、新規事業を立ち上げたり、SNSに動画を配信することで新規学卒者を従来よりも多く採用できた企業もある。
■ 副業・兼業のパターンと留意点
副業・兼業先で雇用契約を締結する場合、労働関連法令等が適用され、本業と副業・兼業先での労働時間の通算管理が必要となる。厚生労働省が2020年9月に改定した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」で示した「管理モデル」の活用は、対応策の一つとなる(管理モデルを利用すれば、本業先は毎月の副業・兼業先の労働時間把握は求められない)。また、副業・兼業に特化した第三者機関によるサービス等を活用することで、労働時間管理の負担を軽減している事例もある。
■ 働き過ぎの防止、競業避止等への対応
副業・兼業を認めた場合、労働時間が長くなり、働き過ぎを招く懸念があるため、副業・兼業者の心身の健康面に十分注意することが大前提である。事例掲載企業では、(1)本業と副業・兼業先での通算労働時間に上限を設ける(2)定期的に労働時間の実態や健康状態を確認し、必要に応じて副業・兼業の中止を求める――といった対応策を取り入れているところもある。
また、競業避止や機密(秘密)漏洩防止等への対応も必要である。抵触した場合に副業・兼業を制限することを就業規則や申請書、誓約書などにあらかじめ明記しておくことが考えられる。
【労働法制本部】