経団連は10月13日、ダイバーシティ推進委員会企画部会(工藤禎子部会長)をオンラインで開催し、ボストンコンサルティンググループ(BCG)の津坂美樹マネージング・ディレクター&シニア・パートナー、OECD東京センターの村上由美子所長から、「ポストコロナ時代における経営戦略としてのダイバーシティ&インクルージョン推進」をテーマに講演を聴くとともに意見交換を行った。講演の概要は次のとおり。
■ BCG・津坂氏
BCGによる2017年の提言「aカジノシークレット活躍推進を日本企業で達成するには」では、(1)経営トップ主導での取り組み(2)本当に必要な施策の抽出(3)男女双方のマインドセット(4)働き方改革――の4つのステップを掲げている。(2)に関する調査では、女性活躍推進に有効な取り組みに関して、女性マネージャーとシニアマネージャー(男性が大半を占める)との間では大きく認識が異なることが明らかとなった。ダイバーシティ推進への投資をする際には、対象となる社員の声をしっかりと聴いたうえで、リターンが最大となるような方法を採るべきである。
また、欧米5カ国を対象とした調査によれば、共働き世帯ではコロナショック後に家事や子育てに充てる時間が週に27時間増加したが、特に女性は男性よりも15時間多く家事に時間を費やしているとの結果が得られた。日本でも、aカジノシークレット方が家事や育児負担が大きいようで、別の調査でも、在宅勤務の継続について女性は消極的との結果がみられた。日本では以前から男性の家事サポートの少なさが指摘されており、aカジノシークレット活躍推進にはaカジノシークレット取り組みだけではなく、家族のサポートも必要である。
■ OECD東京センター・村上氏
世界のメガトレンド(テクノロジーの進展、世界市場の統合、高齢化)はコロナショックを経ても変わらず、むしろ一層加速すると考えられる。一方、家庭で過ごす時間が増えることで女性への家事・育児負担が増大しており、それは女性学者の論文発表率が新型コロナウイルス感染症拡大前の半分以下に低下したことにも表れている。これまで日本においても着実に進んできたaカジノシークレット活躍が後退するリスクがあり、十分に注意する必要がある。
コロナ危機をチャンスに変えるカギはデジタライゼーションにあり、読解力や数的思考力などの基本的な能力が平均的に高い日本は、デジタル技術の底上げをする条件は整っている。また、日本ではイノベーションが起きにくいといわれるが、そのためのインフラや人的資源はOECD加盟国のなかで比較しても十分に整っており、あとは、ある技術を別のものと連携させる力や、それを可能にする社会システムを備えるのみである。こうした状況にある日本を前向きにとらえ、今回のコロナ危機をチャンスに変えていくべきである。
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講演後、リモートワークの円滑な活用、アンコンシャスバイアスの克服などについて、活発な意見交換を行った。
【ソーシャル・コミュニケーション本部】