若者や将来世代も含めたすべての世代が安心できる明るい未来をつくるためには、成長戦略・財政健全化・全世代型社会保障の構築を一体的に図らなければならない。こうした観点から、経団連は関連する委員会のもとで検討を重ねるとともに、今年新たに設置した「経済構造改革会議」での議論を踏まえ、11月19日、カジノシークレット 出金 反映時間~経済構造改革に関する提言~」を取りまとめ、同日公表した。わが国が目指すべき方向性として、デジタルトランスフォーメーションを強力に推進し、世界をリードする活力を取り戻すこととあわせて、長年の懸案事項に解決の道筋をつけ、人々が抱く不安を解消していくことを掲げ、そのために必要な政策として以下の4点を提言している。
(1)Society 5.0を柱とする成長戦略の推進
Society 5.0の社会実装を通じて生産性の向上を図ることが何よりも重要である。そのため、デジタルトランスフォーメーションを通じた効率化(自動化・省力化投資など)や付加価値増大(データ活用による革新的サービスの創出、スマートシティの実装の加速)に加え、新しいことに挑戦し価値を創造できるよう人や企業の変革(人材育成、働き手のエンゲージメント向上、イノベーションエコシステムの構築など)が求められる。
また、海外活力をわが国経済の成長プロセスに取り込む観点から、経済連携の推進などによりSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する製品・サービスの海外展開を図るとともに、技術やシステムなどの輸出を通じて各国が抱える社会的課題を解決していく必要がある。
(2)財政健全化の実現
わが国財政は、債務残高が大きく積み上がるとともに、歳出は国債費・社会保障費を除くと、長期にわたり大きな変化がみられないなど硬直化した構造になっている。こうしたことから、歳出面では、社会保障制度改革を行うとともに、企業の期待につながる歳出(デジタル・ガバメントの推進、政府研究開発投資の拡充など)に振り向けることが重要である。また、安定財源を確保するための歳入改革として、消費税は世代間負担の公平性などの点において他の税よりも優れることから、消費税率10%超への引き上げも有力な選択肢の一つとし、国民的な議論を喚起する必要がある。
(3)社会保障制度(医療・介護)の持続可能性の確保
今後、高齢者の増加や生産年齢人口の急減により、現役世代の社会保険料負担がさらに重くなることから、可処分所得拡大の足かせとなって経済成長に悪影響を及ぼすばかりでなく、制度そのものも立ち行かなくなるおそれがある。そこで、高齢者と現役世代の給付と負担のアンバランス是正などの観点から制度改革を行うべきである。特に優先すべき改革事項として、(1)今後75歳になる人を対象に後期高齢者医療制度の窓口負担の見直し(2)受診時定額負担の導入(3)医薬品の保険給付重点化(4)介護保険の2割負担の対象者拡大――などが求められる。
(4)多様な人材が活躍できる社会づくり
わが国にとってより根本的な課題である少子化対策への不断の取り組みとともに、高齢者や外国人などの多様な人材が活躍できるよう、それにふさわしい社会づくり(年金制度改革、高齢者の就業機会の確保、外国人材との共生社会の形成など)が重要となる。これにより、経済成長や財政・社会保障の支え手の増加が期待される。
【経済政策本部】