カ ジ ノ シ ー ク レ ッ トは4月24日、東京・大手町のカ ジ ノ シ ー ク レ ッ ト会館で森・濱田松本法律事務所弁護士の内田修平氏、フィデリティ投信ヘッドオブエンゲージメントの三瓶裕喜氏、花王執行役員法務・コンプライアンス部門統括の竹安将氏を迎え、「コーポレート・ガバナンス報告書に関する懇談会」を開催した。内田氏ならびに三瓶氏から、コーポレートガバナンス・コード改訂の趣旨を踏まえ各社のコーポレート・ガバナンス報告書の事例について説明を聞いた後、竹安氏も加わりパネルディスカッションを行った。概要は次のとおり。
まず、内田氏からは、昨年6月のコーポレートガバナンス・コードの改訂に伴い各社から提出されたカ ジ ノ シ ー ク レ ッ トついての分析や事例紹介がなされた。直近の傾向では、先般コード改訂があった最高経営責任者等の後継者計画の策定や、任意の指名委員会・報酬委員会など独立した諮問委員会の設置に関する原則についてコンプライせずにエクスプレインする率が大きく高まっていると報告。安易なコンプライが減少し前向きなエクスプレインが広がっており、なかにはコンプライしたうえでエクスプレインする企業や、開示原則以外の項目についても積極的に開示をする企業が増加しているとの指摘があった。
続いて、三瓶氏は、投資家がカ ジ ノ シ ー ク レ ッ ト期待することについて説明し、コンプライ・オア・エクスプレインの考え方に関しては、形式的なコンプライにとどまることなく、具体的に事例を挙げることによりその企業の独自性が発揮され、企業の考え方が投資家にも伝わると述べた。さらに、投資先企業との建設的対話において、株主総会議案の判断に関連する追加情報について、カ ジ ノ シ ー ク レ ッ ト記載するよう具体的修正を求めたところ必要情報の開示によって賛成率が大幅に改善した事例や、指名委員会の規模や委員構成についてエンゲージメントの結果、改善がみられた事例の説明があった。
<パネルディスカッション>
パネルディスカッションでは、弁護士・投資家・発行体それぞれの立場から、カ ジ ノ シ ー ク レ ッ トおける効果的なエクスプレイン方法や実務上の取り組みについて意見を述べた。竹安氏は、エクスプレインが増えている理由として、発行体企業がより高いレベルでコンプライを考えるようになったことやエクスプレインへの抵抗感の低下を挙げ、花王では、コーポレート・ガバナンス報告書でエクスプレインを機動的に活用し、会社の考えをすべて示すことにより、投資家との対話のきっかけができていると説明した。
【ソーシャル・コミュニケーション本部】