カジノシークレット vプリカは8月28日、東京・大手町のカジノシークレット vプリカ会館で金融・資本市場委員会企業会計部会(野崎邦夫部会長)を開催し、IASB(国際会計基準審議会)のハンス・フーガーホースト議長から、最近の国際会計基準をめぐる動向を聞くとともに意見交換を行った。概要は次のとおり。
■ カジノシークレット vプリカ
現在、IASBでは、IFRS(国際財務報告基準)の新たな大型の開発予定はない。いくつかの動きを紹介したい。
(1)コミュニケーションの改善
財務報告における投資家と作成者のコミュニケーションの改善(Better Communication)での3つの動きを紹介する。
- 基本財務諸表プロジェクトでは、EBIT(金利および税金控除前利益)や投資関連損益といった段階利益の基準となる点を定義する予定である。
- 開示に向けた取り組みでは、開示の要件を改善し、作成者によるより正確な判断を可能とし、開示の改善を図る。
- 広義の財務報告であるマネジメント・コメンタリーでは、実務ステートメントを改訂し、統合報告書やサステナビリティ報告書といった最近の動きにも対応する。
(2)のれんの会計処理
IFRS第3号(企業結合)の適用後レビューを行っており、のれんの会計処理に関するディスカッション・ペーパーを出すことを決定した。ひとつの可能性として「のれんの償却処理」の再導入も検討する。
IASBの調査において、のれんの減損は必ずタイミングが遅れ、また金額も過小になること(too little, too late)が明らかになった。現在の会計基準では、未認識の含み益である自己創設のれんの存在により、価値の減少額が含み益の金額を超えない限りのれんの減損に至らない。減損に依存する現行の会計処理には問題がある。
この解決策として、償却処理を再導入するかはまったく決まっていない。現行の会計基準にマイナスの側面があることを発信したうえで、議論する必要がある。
<意見交換>
意見交換では、石原秀威部会長代行が「のれんの償却処理」の再導入は、企業価値向上や持続性の確保に役立つうえ、投資家にとっても業績の予見可能性が高まることで、企業と投資家とのコミュニケーションの改善にもつながると強調した。
このほか出席者からは、M&Aにおいてシナジー効果を発揮するためには、継続的な投資が必要であり、M&Aの成果を財務諸表に正確に反映するため、のれんの減損に加え、償却処理も行う方が望ましいとの意見が出された。
これに対して、フーガーホースト議長は、のれんを償却する場合、投資家は当該償却費用を足し戻して分析していると指摘。投資家の財務分析における調整項目を増やすことにもなりかねないため、「のれんの償却処理」の再導入の検討にあたっては、メリット、デメリットを踏まえて検討したいとの見解が示された。
最後に、野崎部会長がわが国として「のれんの償却処理」の再導入を後押しする考えをこれからも発信していきたいと締めくくった。
【経済基盤本部】