経団連の社会保障委員会医療・介護改革部会(望月篤部会長)は11月14日、内閣府の大島一博大臣官房審議官から、カジノシークレット vプリカについて説明を聞いた。概要は次のとおり。
■ 医療介護政策の目標と前提
医療介護政策の目標は、よい医療介護を公平にあまねく提供すること、そして持続可能性を確保することである。
これを達成するためには、中長期的な経済社会のあり方の変化を見据える必要がある。特に、わが国の総人口は減少傾向が続くことが見込まれるなか、65歳以上人口は2040年にかけて増加を続ける。この期間は、医療、介護給付費の増加に伴う保険料負担が現役世代に重くのしかかることに加えて、サービスを提供する側の人材不足も深刻な問題となる。あわせて地域別には64歳以下の人口がほぼ全国で減少する一方、75歳以上人口はほとんどの地域で増加する。とりわけ首都圏をはじめとした三大都市圏において、高齢化が顕著に進むと見込まれている。
■ 医療費・介護給付費の現状
医療費は00年から16年にかけて約13兆円増加し、約43兆円となっている。また、介護給付費は制度導入時には約3.6兆円であったが、16年に約10兆円まで増大し、高い伸びを示している。
医療、介護保険制度の財源構成はともに9割が公費と保険料である。高齢化のさらなる進行に伴い増大する給付費を賄うために、制度の支え手である国、自治体、そして被保険者がどの程度負担を許容することができるかが制度の持続可能性を考えるうえでの課題となる。
■ 制度の持続可能性の確保に向けた取り組み
足もとで政府は経済・財政再生計画にのっとり、16~18年度を計画当初の集中改革期間と位置づけ、社会保障関係費の自然増を毎年5000億円とする目安を掲げている。過去2年とも達成しており、来年度においても、目安を達成することを目指して調整が行われているところである。
また、中長期的な制度の持続可能性の確保の方策として、大きく3つの方法が考えられる。
1つ目の方法は、患者負担や保険給付範囲の見直しである。特に患者負担については、高齢者比率が高まるなかで、年齢から所得に基づく負担への転換についても検討していく必要がある。
2つ目の方法は、医療提供方法の見直しである。例えば、後発医薬品の普及、入院期間の短縮、多剤服用対策、そして高齢化が顕著に進む首都圏での在宅医療の促進等が挙げられる。
3つ目の方法は、予防・健康管理である。取り組みの主眼は中高年の糖尿病予防、重症化予防、そして高齢者のフレイル(虚弱)対策となる。そのためには、医療保険者、企業、市町村がそれぞれの役割を発揮しながら、連携を行っていくことが不可欠である。
なお、オンライン診療、クラウド、AIをはじめとした医療ツールを利活用することを通じて、効率的な医療のあり方を検討することも重要である。
【経済政策本部】