カジノシークレット ブラックジャックは11月15日、東京・大手町のカジノシークレット ブラックジャック会館で生活サービス委員会ユニバーサル社会部会(河本宏子部会長)を開催し、国内外で交通バリアフリーやユニバーサルデザインを検証している日本大学理工学部交通システム工学科の江守央助教から、空港のユニバーサルデザインへの取り組みと課題について説明を聞いた。あわせて、NTT、パナソニック、ANAから、空港のユニバーサルデザインに関連した取り組みの紹介があった。概要は次のとおり。
■ 江守助教説明
(1)ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザインの考え方は、アメリカ・ノースカロライナ州立大学のロン・メイス氏が提唱した思想「ユニバーサルデザインの7原則(公平性、自由度、単純性、わかりやすさ、安全性、省体力、スペースの確保)」が基になっており、1990年のADA(障害のあるアメリカ人法)の制定とともに普及した。ユニバーサルデザインは、それを考えるプロセスこそが重要であり、例えば羽田空港国際線旅客ターミナルの対応においても、障がい者をはじめとした多くの当事者や関係者の意見が取り入れられている。
(2)空港とICT
羽田空港国際線旅客ターミナルでは、少子高齢化や2020年東京オリンピック・パラリンピックに伴う訪日外国人の増加などを見据えて、ICTを活用した情報提供に関する実証実験を行っている。例えば、スマートフォンのカメラ等を看板や商品にかざすだけで、有益な情報を母国語で得ることができる機能により、外国人がストレスなく過ごせるようにする計画(「かざして案内」機能による言語・文化的障壁の払拭)がある。また、サポートスタッフの作業負担軽減や、利用者の安全で快適な移動を実現するため、ロボット電動車いすを用いた移動支援の強化も検討している。
(3)点から線・面への広がり
一般に、土地所有者が異なる敷地においては、バリアフリーの連続性が担保されないことが多い。しかし、羽田空港国際線旅客ターミナル内に設置された点字ブロックは、京急線の改札口まで連続して延びており、改札内まで続いている。これはさまざまな調整を経ていることの象徴であり、実際に見ると感動してしまう。空港、ターミナル駅、ショッピングモールなどにおいて、それぞれバリアフリー化は進んでいる。今後は、こうしたそれぞれの取り組みを「点」でとどめることなく、行政とも連携しながらシームレスな移動(「線」「面」への広がり)の実現へとつなげていくことが重要である。
■ 企業事例の紹介
(1)NTT
2020年に向けて空港から駅、観光地、スタジアムにおける訪日外国人の言語、移動面の課題をNTTグループのAI技術「corevo」により解決すべく取り組んでいる。羽田空港では、スマホを案内サインにかざすとアプリ不要で交通案内が得られる「かざして案内」や、画像認識やプロジェクションサインを活用した空港内の混雑解消(「人流誘導高度化」)などを商用提供に向けて公開実証している。
(2)パナソニック
2020年パラリンピック東京大会を満席にすることを目標に、空港から競技会場までの物理的・情報バリアを解消するため、実証実験を行っている。江守助教が言及したロボット電動車いすによる移動支援について、今年度は、空港内での(1)自動停止機能 (2)自律移動機能 (3)隊列走行機能――に関する技術検証を行っている。また、訪日外国人が最適な交通手段をスムーズに選択できるよう、可視光通信技術を用いた多言語交通案内についても検証している。
(3)ANA
当社の主な顧客はビジネスパーソンであるが、今後は高齢者や障がい者への対応を進めていく必要があると考えている。そうした観点から、設備投資や教育訓練を実施し、ユニバーサルサービスに関するDNAを社内で醸成しているところである。
【産業政策本部】