基調講演を行う習近平中国国家主席

Ｇ２０杭州サミットを直後に控えた３、４の両日、同じく中国の杭州でＢ２０サミット（Ｇ２０ビジネスサミット）が開催され、約９００名が参加した。

冒頭、基調講演に立った中国の習近平国家主席は、改革・開放政策を継続する方針を説明したうえで、世界経済について、強固で持続可能で均衡ある包摂的な成長に向けて、イノベーション主導の成長、貿易投資を主要なエンジンとする成長、インフラの相互接続によるシナジー効果の発揮などの必要性を強調するとともに、Ｂ２０に対して、成長のドライバーとしてアイデアと知見の共有を要請した。これを受けて、姜増偉Ｂ２０議長（中国国際貿易促進委員会会長）から、Ｂ２０が雇用、金融、インフラ、中小企業、貿易・投資の５つのタスクフォースにおける議論をもとに取りまとめた提言が習主席に手交された。

その後、「グローバル経済成長への新たな道の開拓」「効果的で効率的なグローバル経済・金融ガバナンスの確立」「強靭な国際貿易・投資の促進」「包摂的で相互に連結された開発の促進」をテーマにパネル討議が行われた。討議には、Ｇ２０側から、ジェイコブ・ズマ南アフリカ大統領、マウリシオ・マクリ・アルゼンチン大統領、ジャスティン・トルドー・カナダ首相、マルコム・ターンブル豪州首相も加わった。反グローバル化・反貿易の動きに対し強い懸念が表明されるとともに、成長に不可欠な新技術を円滑に導入するための環境整備の必要性が強調された。

なお、来年のＢ２０サミットは、５月２～３日にドイツのベルリンで開催される。
※詳細は https://www.b20germany.org/ 参照

【国際経済本部】