カ ジ ノ シ ー ク レ ッ トは8月24日、東京・大手町のカ ジ ノ シ ー ク レ ッ ト会館で「平成27年版防衛白書に関する説明会」を開催した。防衛産業委員会基本問題ワーキンググループの野村修三主査が司会を務め、防衛省の武田博史大臣官房報道官兼大臣官房審議官から「平成27年版防衛白書」について説明を聞いた。
説明の概要は次のとおり。
■ わが国を取り巻く安全保障環境
わが国を取り巻く安全保障環境は、さまざまな課題や不安定要因がより顕在化・先鋭化しており、一層厳しさを増している。
北朝鮮は核兵器計画を継続する姿勢を崩さず、わが国が射程内に入る核弾頭搭載弾道ミサイルが配備されるリスクが増大していくと考えられる。今年5月には、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試験発射に成功した。2014年以降、弾道ミサイル部隊の運用能力の向上が示されている。
中国は、海洋における利害が対立する問題をめぐって、力を背景とした現状変更の試みなど、高圧的ともいえる対応を継続させている。13年10月以降、尖閣諸島周辺海域における中国公船の行動がルーティン化している。また東シナ海の日中中間線の中国側において、新たな海洋プラットフォームの建設作業などを進めていることが確認されている。南シナ海の南沙諸島では埋め立て活動を強行してインフラ整備を推進しているとみられる。
ロシアは、ウクライナ領内において外形上「武力攻撃」とは明確には認定しがたい方法で侵害行為を行う「ハイブリッド戦」を展開している。
■ わが国の安全保障・防衛政策と日米同盟
現在、国会で審議中の平和安全法制整備法案の概要を記載した。
日米同盟の強化に向けて、今年4月に開催された外務・防衛担当閣僚会合(2+2)において、「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)の見直しが行われた。在日米軍の駐留について、普天間飛行場の移設は沖縄の負担軽減にも十分資するものと考えている。
今国会で改正防衛省設置法が成立した。防衛省の統合運用機能を強化するため、統合幕僚監部のなかに現在の運用企画局の機能の一部を取り込む。また、10月にも防衛省内の装備取得関連部門を集約・統合した防衛装備庁が発足する予定である。
■ 防衛装備品に関する施策
わが国は防衛装備移転三原則に基づき、諸外国との防衛装備・技術協力を推進している。米国とは戦闘機F-35Aへの国内企業の製造参画および整備拠点の設置に向けた取り組みを行っている。このほか、英国、フランス、オーストラリア、インド、ASEAN諸国などと協力を進めている。
【産業技術本部】