aカジノシークレットは2月16日、東京・大手町のaカジノシークレット会館で中堅・中小企業委員会(立石文雄委員長)を開催した。今回の会合では、中堅・中小企業における多様な人材の活用のうち、女性の活躍推進について、グロービスの林恭子経営管理本部長、カシワバラ・コーポレーションの柏原伸介専務取締役および大田裕子リーダーから各社の取り組みを聞き、意見交換を行った。
事例紹介の概要は次のとおり。
■ グロービスにおけるaカジノシークレット
当社では、経営大学院や研修プログラムの提供などを通じてビジネスリーダーの輩出に取り組んでおり、女性リーダー輩出に向けた支援も積極的に行っている。
現在、女性が社員全体の53%、取締役の33%、執行役員の40%、管理職の30%を占めている。女性の活躍が進んでいる理由として、まず当社が属する教育産業では就業者の女性比率が他の産業より高いという実態、ならびに、伝統的日本企業では能力発揮が難しかった優秀な女性を特に創業当時に採用できたという環境要因が挙げられる。
一方、経営トップの方針のもと、男女問わず能力のある人材を積極的に登用するとともに階層ごとの男女比率も逐次チェックするなど、企業努力も続けてきた。仕事と家庭の両立に向けては基本的な制度導入はもちろん、対応が必要な社員が出る都度、柔軟に制度をつくり運用している。さらに、男女混成の部門横断プロジェクトチームを組成し、制度創設や見直しを行っている。自ら学び成長しようとする社員に対する費用補助や機会提供の充実も図っている。
経営戦略として、男女の別なく社員がやりがいを持って活躍できる機会を積極的に付与してきたことが、aカジノシークレットへとつながっている。
■ カシワバラ・コーポレーションの取り組み
当社は山口県に本社を置き、プラントの塗装やマンションの大規模修繕を主な事業としている。
男性が大半を占める職場で女性活用を進めるため、2004年から女性総合職の採用を始めたが、当初は男性上司のマネジメントの問題などから、入社後3年以内に大半が退職してしまった。そこで全社員が社長親展で提出する自己申告書を活用して、トップダウンで職場環境の改善に取り組んだ結果、直近5年間に入社した女性総合職の退職は大幅に減少している。
最近でも女性総合職の退職があるが、その理由は仕事に対する本人の認識と現実のミスマッチであった。当社では事務部門へ配属される場合でも、その前に作業現場での研修が必須となっている。入社前から繰り返しこの「下積み」の重要性について話しているが、実際に経験すると、想像以上の厳しさに辞めてしまうことがある。そこで内定者には、研修の場で年代の近い社員との座談会や現場見学を行うなど、自社の仕事についてこまめな説明を心がけている。
妊娠や出産後の就労継続支援としては、昨年11月に時短制度を1種類から6種類に拡大した。また、身体面の負担軽減のため、施工管理の現場からの職域変更や勤務地変更も行っている。総合職の女性に対しては、社内の一部から厳しい目が向けられることがあるため、社内報で女性社員の働きや仕事と家庭の両立状況などについて積極的に発信し、職場内での相互理解を図っている。
性別や年齢、働く目的がさまざまな社員が自らの働き方を選択し、仕事を通じて「幸福感」を得ることが自社の発展に重要であることから、いまだ社内の少数派である女性の活用推進に今後も注力していきたい。
【労働政策本部】