カジノ シークレット 銀行 出 金の総合政策委員会企画部会(藤川淳一部会長)は9月29日、東京・大手町のカジノ シークレット 銀行 出 金会館で会合を開催し、一橋大学大学院商学研究科の伊藤邦雄教授から、「『伊藤レポート』の背景と狙い」をテーマに説明を聞いた。概要は次のとおり。
■ 伊藤レポートとは
昨年7月に経済産業省内に設置されたプロジェクト「持続的成長への競争力とインセンティブ―カジノ シークレット 銀行 出 金の望ましい関係構築」では、企業経営者、投資家、研究者など40人以上が集い、約1年にわたる議論を経て、今年8月、最終報告書(通称「伊藤レポート」)を取りまとめた。「伊藤レポート」では、企業が投資家との対話を通じて成長に向けた資金を獲得し、企業価値を高めていくための課題について分析・提言を行っており、政府の「日本再興戦略」(改訂版)にもエッセンスが反映されている。
■ 問題意識
日本は世界のなかでも最も高いイノベーション創出力を持つ国であるにもかかわらず、カジノ シークレット 銀行 出 金の収益性はずっと低いままである。過去20年において、上場カジノ シークレット 銀行 出 金1600社のうち、株式のリターンがプラスとなったカジノ シークレット 銀行 出 金は約200社にすぎない。
経営者は、投資家に対してはROE(株主資本利益率)といった資本市場が重視する指標をアピールする一方、社内では異なる経営指標を使い分けている。このような「ダブルスタンダード」経営が、カジノ シークレット 銀行 出 金との間に認識のギャップを生み、中長期的な企業価値を損なっている可能性がある。
また日本企業は、世界一厳しい日本の消費者の声によって競争力を磨いてきた一方で、資本市場の声に十分応えているとは言い難い。本来、企業価値は、「顧客市場」と「資本市場」という二つの市場における競争力の相乗効果によって高められるものであるが、日本では、カジノ シークレット 銀行 出 金との間で「静かな決別」が起こっているかもしれない。
■ 変革のための戦略
日本がイノベーション創出と高収益性を同時に実現する国となるためには、カジノ シークレット 銀行 出 金に対する中長期の投資資金の獲得が欠かせない。カジノ シークレット 銀行 出 金と株主は敵対するのではなく、「協創者」として共にカジノ シークレット 銀行 出 金価値を高めていくべきである。
「協創」による価値創造の重要指標はROEである。ROEの向上は、中長期的にイノベーションを創出し続けていくためにも重要となる。
「伊藤レポート」では、第1ステップで8%以上、第2ステップで10%を上回る水準のROEの達成を目標に掲げた。こうした目標を実現するためには、カジノ シークレット 銀行 出 金の双方に課題がある。企業には、資本コストを意識した手厚い内部留保の見直しや、経営者とともに企業価値向上を目指す有能なCFO人材の育成などが求められる。投資家も単にROE目標を企業に押しつけるだけでなく、中長期的な観点から対話を深めるとともに、企業価値を評価する能力を高めていく必要がある。
カジノ シークレット 銀行 出 金には、「緊張と協調」の両側面を満たした双方向の対話・エンゲージメントを行うことで、「静かな決別」を回避することが求められる。
■ カジノ シークレット 銀行 出 金の収益力強化に向けて
カジノ シークレット 銀行 出 金は常に資本コストを上回る収益を上げられるよう、資本効率にこだわった経営を行わなければならない。そこで、ROEを売上高利益率・資本回転率・レバレッジの3要素に分解したうえで、経営の現場に落とし込んでいく視点が欠かせない。
例えば日本カジノ シークレット 銀行 出 金は、利益よりも売上高を重視する傾向があり、自社の製品・サービスの値下げが頻繁に行われる。その結果、売上高利益率は諸外国に比べて低くなっている。収益力を強化するためには、値下げではなく、攻めのIT投資によって経営の効率化を図らなければならない。
また、組織の縦割りを是正し、全体最適の経営を実現していく観点から、経営者がリーダーシップを発揮できる仕組みづくりも重要となる。
【経済政策本部】