経団連は5日、Policy(カジノシークレットを公表した。概要は次のとおり。
1.消費税法改正法の成立を踏まえ取り組むべき重要課題
消費税法改正法をはじめとする社会保障・税一体改革関連法の成立は、持続可能な社会保障制度の確立、財政の健全化に向けた一歩であり、高く評価できる。一方、経済活力の維持・強化という課題は残されたままで、解決していない。
そこで、平成25年度税制改正では、国内における投資や雇用の維持・拡大に資する税制を確実に整備することが不可欠である。これは消費税率引き上げのための環境整備、すなわち経済状況の好転にも資する。具体的には、以下の措置を講ずるべきである。
- (1)法人実効税率のさらなる引き下げに向けた道筋をつけるべく、税制抜本改革までの暫定措置である地方法人特別税を廃止
- (2)償却資産にかかる固定資産税、事業所税の抜本的見直し
- (3)研究開発促進税制における総額型の控除限度額の引き上げ(法人税額の20%から30%へ)、知的財産権に起因する所得に低税率または所得控除を適用するパテントボックス制度の創設等
- (4)原料用途免税の本則非課税化
- (5)消費税率の8%への引き上げ時までに自動車取得税、自動車重量税を確実に廃止
- (6)石油関係諸税と消費税との Tax on Tax の解消
- (7)住宅の取得にかかる負担軽減措置の導入
- (8)印紙税の廃止
また、消費税にかかる諸制度の整備、個人所得課税、資産課税にかかる改正への対応も重要な課題である。消費税率の引き上げに伴う低所得者対策については、消費税率が10%の段階で給付付き税額控除の導入を検討すべきである。そのためにもマイナンバー法案の早期成立が不可欠である。個人所得課税、資産課税については、経済活力に十分配慮した議論が求められる。
2.東日本大震災による環境変化を踏まえた税制の整備
まずは東日本大震災からの復旧・復興の加速が喫緊の課題である。復興特区における税制特例の活用メリットを早期に享受できるような運用の改善を行うとともに、特例措置の要件緩和、さらなる拡充も検討すべきである。そのうえで、震災後の環境変化を踏まえ、以下の税制措置を講じるべきである。
- (1)地震・津波対策等にかかる税制上の特例措置の創設、異常危険準備金の拡充
- (2)地球温暖化対策のための税の見直し
- (3)グリーン投資減税の拡充
- (4)資源・エネルギーの安定確保のための減耗控除制度の改善・延長等
3.経済のグローバル化に対応した国際課税制度の整備
国際的な二重課税の排除や投資所得にかかる源泉地国課税を軽減する観点から、租税条約を積極的に推進すべきである。改定交渉では中国、インド、タイ等、締結交渉では台湾、チリ、ミャンマー等の優先順位が高い。
また、タックスヘイブン対策税制、移転価格税制、外国税額控除制度、外国子会社配当益金不算入制度の改善も不可欠である。国境を越えた役務提供等に対する消費税のあり方についても検討を行い、所要の措置を講ずる必要がある。
【経済基盤本部】