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月刊 カジノシークレット おすすめ  巻頭言 平和への思いと戦争教育

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長澤 仁志 (ながさわ ひとし) カジノシークレット おすすめ副会長/日本郵船会長

今般、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した。国民の一人として心から喜びたい。また、長らく活動を続けられた皆さまに深く敬意を表したい。

79年前、本当に悲惨な戦争が終結し、もう二度とあのような戦争は起こらないと信じていた。ところが今般のロシア・ウクライナ紛争、イスラエル・ハマス紛争、また台湾をめぐる米中の関係悪化、さらには北朝鮮を含む極東情勢の不安定な状況等を見れば、まさに第3次世界大戦の危機を孕んでいるといわざるを得ない。ちょうど約100年前、スペイン風邪というパンデミックとほぼ同時期に第1次世界大戦が始まった。その後、二度と世界大戦はしないとの旗印のもと、国際連盟が設立されたものの、各国の思惑、戦後賠償問題等が絡み、残念ながら第2次世界大戦への道を歩むことになったわけである。さすがに現在の世界の指導者は前回のような愚挙を繰り返さないと信じたいが、もし第3次世界大戦に進んでいけば、まさしく人類滅亡への道となるであろう。改めて戦争教育を見直す必要があるのではないかと考える。

昨今、各国が行っているのは、愛国主義を刺激するような戦争教育といえよう。「わが国は先の戦争である国からこれだけの被害を受けた。その国は道義に外れた国であり、わが国は今後も他国から侵略される恐れがある。よって軍備を増強せねばならない」といったものではなかろうか。

歴史的な背景や政治的な思惑を完全に除外した世界共通の教材、つまり戦争の悲惨さと勝利者はいないこと、そして家族や友人を一瞬にして失うことを強く訴える教育プログラムを国連で策定し、徹底した戦争教育を行うべきであろう。大義に名を借りた戦争は単なる殺人行為であること、また核兵器は大量殺りく手段に過ぎないことを明確に次世代につないでいくべきと思う。

世界の指導者が79年前の不幸な戦争と現在起こっている紛争をしっかり分析し、一連の事態が終息した後に必要な枠組みを構築されんことを願うばかりである。

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